ミニトマトが枯れる原因とは
相手は生き物ですので、マニュアル通りにうまくいくとは限りませんし、ネットの情報を鵜呑みにしてもはたしてそれが本当に自分のミニトマトに当てはまるかも不安ですよね。
家庭菜園を始めた頃は、誰しも手探りの状態だと思います。プロの農家さんだって、新規就農して3年位は四苦八苦して辞めていく方もいらっしゃるそうです。
ましてや趣味の家庭菜園・プランター栽培ですから失敗して当たり前だと思います。それでも、毎年土を新しく出来るプランター栽培だからこそ、ミニトマトが枯れる原因を下記の5つに絞れるのです。
「みらどり」の考えるミニトマトが枯れる原因は5つあります。
- 水やりの方法(過湿と乾燥)
- 風当たりと日当たり(日照不足と炎天下)
- 栽培用土の問題(プランターの土の量と保水性)
- 肥料のやり方(チッソ過多とチッソ不足)
- 無農薬へのこだわり(ハダニ対策)
上記5つの項目の中で、一番重要なのは5番目の「ハダニ」です。それ以外はただちに枯れる事はないと思いますので、今現在下葉から枯れ始めているあなたは、ハダニ対策をしっかり行う事が重要です!
ただし、その他の4項目もじわじわと成長を阻害し、やがてミニトマトを枯らす原因になりますので「成長点が痩せてきた」り、「茎・葉が細く、小さくなった」りしたら、1つずつ見直していただけると可愛い我が子(ミニトマト)が元気に育つようになると思います。
たとえ趣味でも10年続けていると枯らす必要のなかったミニトマトが数多く居た事に気が付きます・・・。そんな悲しい思いを繰り返さない為、ひとまず無農薬とか有機栽培とかのこだわりを横に置いて、1シーズン枯らす事なくすくすく元気にミニトマトを育てて欲しいと思います!
水やりの方法(過湿と乾燥)
以前にも過湿と乾燥についての記事を書きましたが、プランター栽培においてどのような野菜を育てるのにも「過湿と乾燥」は永遠の課題だと思います。
また、どの教科書を見ても「水やりの方法」による過湿による根腐れや、乾燥により根が痛む事は成長阻害要因となっています。
水やりの方法も本来なら用土の保水性、通気性や地域の気候を鑑みてベストなタイミングが環境によって異なるので始めたばかりの頃はとても難しいと思います。
ただし、「みらどり」は過去の経験上、毎朝欠かさず水やりをしていれば過湿や乾燥でミニトマトが枯れるほどのダメージは受た事がありませんでした。
よほど粘土質の通気性の悪い庭土で無い限り、おおよそ市販の培養土を使っていれば過湿にはなりませんし、毎日水やりをしていて葉がしおれるほどの乾燥にもなった事がありませんので、この項目はさらっと流して頂いて構わないと思います。
ただし、ミニトマト栽培をしていると一度くらいは「永田農法」という言葉を聞いた事はないでしょうか?日向土や砂利など保水性の悪い用土を使い、ミニトマトに与える養水分を極力絞って地表近くに養分を効率よく吸収出来る細根を張らせ、甘くて美味しい高糖度のミニトマトを栽培するという栽培法です。
かつて「みらどり」はこの永田農法に憧れて、プランター栽培で何度も挑戦してきましたが、養水分の管理があまりにもシビア過ぎて何度もミニトマトを枯らせました・・・涙
という事で、このような特別な栽培方法でも無い限り、市販の培養土でミニトマトを育てていれば「水やりの方法」でミニトマトが枯れる事は無いと思います。
ただし、梅雨の長雨の時はミニトマトのプランターを雨の当たらない所に避難さる事は必要だと思います。過湿による根腐れを防ぐと同時に、せっかく付いた実が急激な水分変化で実割れしてしまうのを防ぐ事にも繋がるからです。
- 保水性と通気性の確保された市販の培養土を使用する
- 毎日欠かさず水やりを行う
- 台風や梅雨時期には雨よけする
1つ目の水やりの方法(過湿と乾燥)は、これだけで解決出来ると思います。
風当たりと日当たり
(日照不足と炎天下)
2つ目の項目も、ミニトマト栽培のどの教科書にも記載がありますよね。太陽が大好きな夏野菜であるミニトマトは、出来る限り日当たりの良い場所に置く事。
これは間違いありません。半日程度しか日の当たらない場所だと、確実にひょろひょろと徒長して病害虫の餌食になります。
自然界では、活力の無い弱った獲物がまっさきに病害虫に狙われます。同じような栽培条件でも、病害虫にヤラれる株と多少被害を受けても自己修復する株がありますよね。
まずは植物に必要な日当たりと、根から養水分を吸い上げる為の葉の蒸散を促す風当たりの良い場所にミニトマトを置くことが肝心です。
春・秋は、なるべく長時間日に当たる場所を見つけてミニトマトファーストでVIP席で栽培する事をおすすめ致します。
ただし、日本の夏はトマトの原産国と異なり高温過湿。ミニトマトにとっても「夏バテ」するほどの炎天下・猛暑になる地域にお住まいの方は日よけが必要になる事もあります。
「みらどり」は関東在住ですが、8月の猛暑日には実を全て収穫し風通しの良い日陰に避難させ、ミニトマトに「夏休み」を与えた所、秋以降の成長が著しく回復してクリスマスまで収穫出来るようになりました。
もちろん、夏前にハダニを駆除して健康な状態で避暑地へと送り出したことがミニトマトの長期栽培に成功した要因である事は言うまでもありませんが。
ただし、風当たりと日照不足が多少悪い程度ではミニトマトは枯れません。この項目も、それほどミニトマトを枯らす直接的な原因にはならないと思います。
ミニトマトの夏休み・・・という事だけ頭の片隅にとどめておいていただけると、クリスマスまでの長期栽培が可能になるかもしれませんよ笑
- 日当たりは可能な限り良い場所に置く
- 風が通らない場所を避ける
- 炎天下の猛暑日が続く場合はミニトマトを日陰に避難させ夏休みを与える
2つ目の風当たりと日当たり(日照不足と炎天下)は、これだけで元気に育つようになると思います。
栽培用土の問題
(プランター容量と保水性)
この辺りから少し重要度が増してきます。最適な用土のブレンドが出来ない始めの頃は、市販の培養土を使う事は大前提ですが、培養土にも色々種類がありますよね。
プレミアムとか、ゴールドとか記載された有名なお高い培養土から、育てる野菜の名前が書いてある専用培養土、ホームセンターで投げ売りされている培養土まで実に様々な種類があります。
「みらどり」も最初はお安い培養土や、永田農法に憧れて日向土など特別な用土を使用したり試行錯誤数々の失敗を重ねてきました。
しかし、お安い培養土や管理がシビアになりすぎる用土選びだと、通気性や保水性、元肥成分の問題でミニトマトの生育を阻害する原因となります。
結果的に現在は、育てるべき野菜の名前が記載された専用培養土に落ち着きました。培養土の専門家が研究開発した専用培養土が悪いわけがありませんからね。
とある農家さんは、培養土メーカーと提携してハウスで地植えせずに袋栽培で市販の培養土だけで高品質なミニトマトを栽培しているそうです。なぜなら、餅は餅屋、土は土の専門家である培養土メーカーに任せた方が良い!という理由だそうです。
当然、毎年培養土を更新すれば連作障害とか土壌汚染、病害虫の心配も無くなります。つまり、ミニトマトを枯らす原因の大半が解決する訳ですね。
また、いくらトマト・ミニトマト専用の培養土を使用しても、プランターの用土量が少ないと意味がありません。特に長期栽培を目指すなら、可能な限り容量の大きなプランターで育てる事がオススメです!
通常は1株15〜20L位。袋栽培でも分かる通り、専用培養土がそのまま入るプランターが最低必要になります。ただし、水やりの頻度や、長期栽培を目指すと2袋分(約30〜40L)位の用土量で1株育てると保水性の観点からも栽培が容易になります。
「みらどり流」は、専門家推奨の袋栽培可能なトマト・ミニトマト専用培養土2袋分をプランターに移し替えて贅沢にミニトマト1株を育てる事オススメ致します。それがミニトマトを枯らさず長期栽培する簡単な方法だと思います。
- 餅は餅屋。培養土は専門家が研究・開発したミニトマト専用培養土を使う
- そのまま袋栽培するより、2袋分をプランターに移し替えるとクリスマスまで楽しめる♬
意外と見落としがちな培養土の品質と量を改善すると、ミニトマトを枯らさないだけでなく、毎年甘くて美味しいミニトマトが長期栽培可能になります!
肥料のやり方
(チッソ過多とチッソ不足)
ここからはさらに重要な項目となります。トマト・ミニトマトはチッソ成分の1.7倍ものカリ成分が必要なのは、トマト元気液肥でトマトに活力!家庭菜園で10年使い続けた使用レポート【まとめ】記事でもお話しましたが、市販の培養土や肥料成分のチッソ・リン・カリの成分表は概ね8−8−8など均等なものが多いと思います。
つまり、それだけだとどうしてもチッソ過多や、カリ不足でトマト・ミニトマトがうまく育ちません。チッソ過多の場合は、一見旺盛に茎・葉が茂って元気に見えますが、病害虫もチッソ成分がお好き。
決して枯れるようには見えませんが、使いきれなかったチッソやアミノ酸めがけて、様々な病害虫がやってきます。遅かれ早かれいずれ生育が悪くなるのは目に見えています。
また、トマト・ミニトマトはチッソ食いなのでチッソを絞ると美味しいミニトマトが出来て良い・・・と説明されている事もありますが、絞り過ぎにも注意が必要です。
絞るつもりがなくても、第一果房、第二果房が付いた頃に「追肥」をしていない方が意外と多いのも驚かされます。生殖成長と栄養成長を繰り返すトマト・ミニトマトですから、実を付けたタイミングで適切な施肥を行わないと、実に栄養を奪われその後うまく育たなくなります。
チッソは植物が多く必要とする3大栄養素の代表的な成分ですから、過剰も問題ですが、不足も問題です。毎日の水やり同様、適切な時期に追肥をすることで、チッソ不足で株が弱る事が無くなります。
致命的なチッソ不足の場合、下葉が黄色く枯れる事がありますが、これは成長点に栄養を送る生理現象として病害虫が原因ではなく、自然に枯れている場合があります。
この場合、ミニトマトの茎・葉や、成長点付近が明らかに細く、貧弱になるのですぐに分かると思います。毎日の水やりの時の観察が大切です。
肥料の切れ目が縁の切れ目・・・。追肥をしなければ、確実に枯れます!
ミニトマトを枯らさない為の肥料のやり方は、培養土に含まれる元肥に頼らずに有機肥料・化成肥料のこだわりも捨て、適切な時期(肥料の裏書き通り)にトマト・ミニトマト専用の肥料を「追肥」する事。
最適な追肥のやり方は、与える肥料によっても異なりますが、基本は肥料メーカーの裏書き通りに追肥する事で失敗はありません。
- 元肥に頼らず「追肥」を行う
- 肥料はトマト・ミニトマト専用の成分配合のモノを与える
- 与え方は肥料の裏書きを必ず守る
トマト専用の肥料は沢山ありますが、「みらどり」は即効性の液肥と毎日の水やりでジワジワ効く専用の固形化成肥料を使用しています。
参考までに「みらどり」の使用しているミニトマト専用肥料を貼っておきますね。
肥料についての詳しい考察はこちらの記事をご参照下さい👇
ちきちき なんだなんだ\(*°∀°*)/!まるで呪文のようなこのタイトルは笑。なんか悪いものでも食べたのか「みらどり」?! みらどり あいかわらず適切なツッコミありがとう(´>∀<`)ゝ。肥料、過肥、無肥、少肥、適[…]
無農薬へのこだわり
(ハダニ対策)
最後に「みらどり」が一番ミニトマトを枯らす原因として多いと感じている「ハダニ」が原因の場合です。正直、毎年培養土を更新していれば、難しい病気や、前述した項目で枯れる事はそう多くないと感じています。
10年以上趣味で家庭菜園・プランター栽培をしてきましたが、ミニトマトを枯らすのはぜ〜んぶ、ハダニのような気がしてなりません・・・。
特に家庭菜園を始めたばかりの頃は、右も左もわからないまでも、化成肥料や農薬を悪だと考える浅はかな自分がいた事は否めません。
その後、どうしても毎年枯れゆくミニトマトが可愛そうになり?!「コロマイト乳剤」という微生物から生まれた殺ダニ剤で、減農薬栽培では農薬としてカウントされない県がある「軽めの?農薬」を使用。
しかし、ダニに対する抵抗性の問題でシーズン中2回しか使用出来ません。そこで、異なる作用で働く農薬3種類をローテーションする「みらどり流ハダニ駆除!必殺3ローテーション」が完成しました。
はっきり言って、日本で流通している殺虫剤や農薬は「用法・容量」さえしっかり守れば、全然怖いものではありませんでした(海外に比べ、日本の農家さんが作る野菜は安全だと思いませんか?)。
それよりも、わずか数週間でトマト・ミニトマトを枯らす「ハダニ」や、何度も可愛い我が子(ミニトマト)を全滅させられた脅威の「トマトサビダニ」の方が何十倍も怖いです!
「ハダニ」や「アブラムシ」程度なら、民間療法(ガムテープでペタペタしたり、シャワーで水攻め、お酢やコーヒー・牛乳散布など)で地道に対処するのも家庭菜園の楽しみかもしれません。
しかし「ハダニ」や「トマトサビダニ」を完全に駆除する為には、やはり殺虫剤・農薬が確実です!!
何度も書きますが、救えるミニトマトが目の前にいるなら、無農薬や有機栽培というこだわりは簡単に捨てる「みらどり」です笑
寄生虫に全身を蝕まれ、ひょろひょろと今にも死にそうな枯れゆく我が子(ミニトマト)をただ黙って眺めているのは悲しすぎます!
それでも農薬に抵抗があるあなたは、幸いにも牛乳と同じ物理的作用でハダニの呼吸機関である気門を閉じ、窒息させる抵抗性のつかないソフト農薬の「アーリーセーフ」という商品もございます。
まず一度こちらの紹介記事に目を通して頂き、救えるはずのミニトマトに愛の手を差し伸べて欲しいと心から願います笑
- プランター栽培においてミニトマトを枯らす大半の原因はハダニである
- ハダニを完全に駆除するには民間療法では難しい!
- 用法・容量を守れば殺虫剤・農薬の使用は決して怖くない
また、本気で「ハダニ」を殲滅したいとお考えのあなたは、こちらの記事をオススメ致します
みらどり 今年も6月に入り「ハダニ」の季節がはじまりました...泣。せっかく趣味の家庭菜園で楽しみながら野菜を育てているあなたに、悲しい思いをさせない為の「みらどり流ハダニ駆除!必殺3ローテーション」をご紹介致します。 ちきちき[…]
ミニトマトを枯らせた5つの失敗から学ぶ!10年の栽培記録【まとめ】
ミニトマトを枯らせた5つの原因は
- 水やりの方法(過湿と乾燥)
- 風当たりと日当たり(日照不足と炎天下)
- 栽培用土の問題(プランターの土の量と保水性)
- 肥料のやり方(チッソ過多とチッソ不足)
- 無農薬へのこだわり(ハダニ対策)
ですが、ミニトマトを枯らさずに長期栽培する為には、1番、2番はみなさん普通にやられていると思われるので、準備段階で3番、4番を改善すれば、あとは5番のハダニ対策だけです。
冒頭のご近所さんの原因も「ハダニ」でした(茎が茶色くなかったので、トマトサビダニではなかったようです)。また、近所のホームセンターに置いてある栽培見本のミニトマトも、もれなくハダニを発見しました。
日当たりも良く、毎日水やりもして、市販の専用培養土を使って追肥もちゃんとしてるのにミニトマトが枯れる時は、病気を疑うのではなく、まずは葉を裏返してハダニチェックをしてみてください!
ミニトマトの葉の裏に、クモの糸のような跡や、小さくうごめく虫は居ませんか?また、トマトの葉に白い斑点や色抜け・黄色くなったりしていませんか?それは間違いなく招かれざる客の「ハダニ」が住まわれております。
ぜひとも人類の英知である殺虫剤・農薬で、可愛い我が子(ミニトマト)を枯らす宿敵(ハダニ)を取り除いて上げて下さい。検討を祈ります!