原因を特定する為に葉を裏返してみる
ミニトマトの葉っぱに白い斑点や、黄色く枯れている葉があったら葉っぱを裏返してみて下さい。
小さくうごめく虫や、クモの巣のような糸が見つかったら、それは「ハダニ」が原因です。体長は0.5mm程度ですので良く見ると肉眼でも見つけれます。
ちなみに「みらどり」は老眼が入り始めているので、スマホの写真で画像を拡大して確認しています…(涙)
ハダニは20度~30度の高温乾燥を好み、日本では梅雨明け後から9月まで旺盛に繁殖します。
それまで順調に生育していた成長点や脇芽が、急に衰えてきたと感じた時も「ハダニ」のせいかもしれませんので確認してみてください。
葉裏や花弁に寄生し、植物の汁を吸うので葉の表面が白や褐色の斑点のようになったり、酷くなると葉が薄くかすれたようになります。
それにより葉っぱの光合成効率も落ち、葉が黄色く枯れたり落葉したりする為、ミニトマトの生育が極端に悪くなり、株全体に大きなダメージを与えます。
毎年数株のミニトマトをプランターを分けて栽培していますが、同じ栽培条件や気象条件でも、ハダニが発生する株とそうでない株があります。
おそらく、何らかの原因で弱った株からハダニが増え、ハダニが増えたからまた株の生育が落ちて弱る。負のスパイラルに突入しているのだと思います。
まずは「ハダニ」に狙われない健康な栽培方法を確立する事が大切ですが、残念ながら招かれざる客のハダニに住まわれてしまった時の対処法をご紹介致します。
一般的なハダニの駆除方法
ハンディ顕微鏡DXにて、ハダニを拡大してみると…ひぇ〜〜!目視でも十分見えますが、250倍するとデカイですね!
- 葉裏めがけてシャワーで水攻め
- ガムテープで葉の裏をペタペタする
- 牛乳と水を1:1に薄めて葉裏にシュッシュする
- 市販の薬剤で人間の力を証明する
- 症状の酷い葉は切り取って土に埋める
基本的に高温乾燥を好むハダニですので、水には弱い。無農薬で駆除するには弱点である「水」を使用する方法と、物理的にガムテープで引き剥がす方法があります。
どちらも、数百株を栽培しているプロの農家さんには出来ない「手間」と「時間」の掛かる作業です。
しかし、1株2株しかない趣味のプランター栽培なので、薬剤を使わず「愛情」を込めて駆除するこれらの方法をオススメ致します。
①葉裏めがけてシャワーで水攻め!
基本的に「みらどり」はこの方法で毎年ハダニを駆除しています。成虫は比較的簡単に吹き飛ばせます。
シャワーの水流は、ミニトマトの葉裏に向かって1枚1枚近距離からかなり強めにあて続けます。
それでも卵が残っている場合があるので、1週間程度は毎日葉裏をしっかりとチェックしましょう。
2週間ほど経過して、他の葉に白い斑点が転移してなければミッションクリア!玄関開けたらすぐプランター♪だから出来る毎日の観察でハダニを駆除します。
その後は毎日水やりの際に、葉っぱの白い斑点や色の抜けた葉を見つけたらその都度葉を裏返し、1匹でも見つけたら水攻めで駆除していきます。
1枚1枚手間と時間をかけてハダニを駆除していく事も、趣味のプランター栽培の醍醐味だと考えます。
ただし、効果のほどは…予防程度に考えたほうがいいかもしれません。
②ガムテープで葉の裏をペタペタする!
これは文字通りガムテープの粘着でハダニを捕殺する方法です。ガムテープの粘着力は想像以上に強いので、卵も成虫も概ね駆除できます。
ただし、ガムテープをベターっと葉に強く押し付けてしまうと、粘着力が強すぎて写真にあるように、葉っぱを切ったり剥がしてしまうが多く葉を痛めてしまうので注意が必要です。
何度か試してみましたが、意外と難しいので「みらどり」はこの方法も使わなくなりました。
1株程度しか育てていない場合は有効だと思いますが、後述する「トマトサビダニ」に狙わてたとしたら、茎や実にも侵食しているので、葉裏のガムテープだけでは効果が得られません!
万が一トマトの茎が茶色くなりかけていたら、すぐに化学農薬の散布を推奨致します!助かるトマトがあるならが、助けてやるのが世の情け…。
冒頭でもご紹介したコチラの記事をご参考下さい
みらどり 今年も6月に入り「ハダニ」の季節がはじまりました...泣。せっかく趣味の家庭菜園で楽しみながら野菜を育てているあなたに、悲しい思いをさせない為の「みらどり流ハダニ駆除!必殺3ローテーション」をご紹介致します。 ちきちき[…]
③牛乳と水を1:1に薄めて葉裏にシュッシュする!
牛乳の膜でハダニを窒息させるのが狙いです。「みらどり」も以前は何度か使用した事があります。注意する点は、幼虫・成虫に効果はあるが、卵には効果が無いため繰り返しの仕様が必要になる事。
また、確かに効果はあるのですが独特の匂いや、その後の洗い流しが甘いと牛乳の腐敗臭が酷いので今では使う機会は無くなりました…。
また、牛乳以外にもコーヒー・お酢でも効果があるとの報告がありますが、濃度や特定農薬の薬効にハダニが含まれていないのであまりオススメは致しません。
「こんな方法もあるよ~」的に、色々なサイトで紹介されていますが「みらどり」的には牛乳駆除は行いません。
同じような天然成分を使用した、後述の「アーリーセーフ」や「粘着君」などを使用したほうが数倍効果があると思います。その効果は、民間療法と西洋医学くらいの差があると思います。
牛乳もソフト農薬も、ハダニの気門を覆って窒息死を狙う物理的作用での駆除を狙ったもので、ハダニに抵抗性もつかず繰り返し使用できるやる為、より効果的なソフト農薬を利用するようになりました。
④使用制限の無いソフト農薬で物理的に数を減らす
趣味のプランター栽培ではあまり薬剤は使いたくないのですが、被害が大きい場合は牛乳の上位互換である「粘着くん(液剤)」と「アーリーセーフ」がオススメです。
殺虫成分で駆除するのではなく、食品であるデンプン成分や天然成分で「虫を被覆することによる『虫体の捕捉』と『呼吸阻害』の物理的作用」によるものです。
この2つの農薬の良いところは、呼吸阻害の物理的作用によるので他の農薬のように使用制限が無いところです。特定の農薬に対する抵抗性がつかないので、シーズン中何度も使えますが、欠点はハダニの「たまご」には効かない点。
高温乾燥時には一般的に卵から成虫になるまで1週間程度のハダニ類ですから、1週間に一度の散布で2、3回の使用が必要になります。
それでも民間療法よりは効果が高いので、気になる方は参考にしてみてください。ちなみに、粘着君は1000mlで野菜類は100倍希釈。アーリーセーフは100mlで300倍希釈です。
1回の使用で4L散布したとすると、粘着君は25回。アーリーセーフは約7回散布可能です。1Lあたりのコストは圧倒的に粘着君のほうが優れていますが、家庭菜園レベルでは使用期限までに使い切るのは無理なので「みらどり」はアーリーセーフを使用しています。
これで概ねハダニ対策万全ですが、万が一「トマトサビダニ」に狙われた場合は、別記事の「【画像付き】ミニトマトの茎が茶色・下葉が黄色・葉裏がテカテカした場合の原因と対処法」を参考に、殺虫成分配合の農薬のローテーションで完膚なきまでに叩きのめす事をオススメ致します!
⑤症状の酷い葉は切り取って土に埋める
また、写真のような無残な姿になってしまった葉は、光合成も出来ず残しておいても意味がありません。早々に切り取って、ハダニごと土に埋めてしまいましょう。
決して、そこらへんに投げ捨ててはいけません。ハダニの繁殖力は凄まじいので、必ず報復にやってきます…(笑)。
同様の理由から株元の古くなった老化葉は、風通しを悪くし病害虫の温床になる為、意識的に摘葉した方が良いと考えます。
繁殖しすぎたハダニを殲滅するのは、化学農薬を使用したとしても苦労するので「おかしいな?」と感じたらバンバン摘葉する事が蔓延を防ぐのに最適です。
数百・数千株を育てている農家さんにはとても大変な作業ですが、1株2株の趣味の家庭菜園なら日々の観察である程度は防ぐ事も出来ると思います。
ハダニの予防方法
そもそも同じ条件で栽培しているのに、ハダニに狙われる株とそうでない株があるので、病害虫に強い丈夫な株に仕立てる事が最大の予防方法だと考えます。
また、病気に強い耐性を持たせた高価な品種や苗を購入する事も、長期間ミニトマトのプランター栽培を楽しむ秘訣だと思います。
98円の苗と、980円の苗…。4月に定植して半年以上楽しめるのであれば、980円の苗を選ぶ方が断然お得だと考えます。
もちろん、98円の苗でも無事に病害虫の被害にあわないかもしれませんが、確率の問題です。
それと「みらどり」の過去の経験上、98円の苗は…あまり美味しいミニトマトは出来た記憶がありません💦
また、吸肥力の強いミニトマトは病害虫の好む窒素過多を抑えるだけで、甘くて美味しいプランター栽培ならではのプレミアムミニトマトが収穫出来ます。
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プランターの用土・容量や、栽培方法を工夫してミニトマトを丈夫に育てる事で、ハダニを未然に防ぐことが可能です。
ただし、相手もプロの寄生虫です!奇しくも招かれざる客(ハダニ)に住まわれてしまったら、早急にトマトを守る行動(農薬・殺虫剤)をとって欲しいと思います!!
また、万が一葉の色が過度に黄色く変色して枯れてきたり、ミニトマトの茎が茶色くサビ色に変色したら…大至急下記ページをご確認下さい!
ダニはダニでも「トマトサビダニ」が原因の場合は、上記のような生半可な対処法では駆除しきれず枯れてしまいます!
そこに救えるトマトがあるならば、無農薬のこだわりは捨てガツンと効く殺虫剤の使用も厭いません!!
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【画像つき】ミニトマトの葉に白い斑点や色抜け、黄色くなった時の原因と対処方法【ハダニ編】
ミニトマトの葉に白い斑点や色抜け、黄色くなった葉を見つけたらまっさきに葉を裏返して水攻めで「ハダニ」を駆除しましょう。
3月~5月の低温障害によるミニトマトの葉に出来る黒い斑点の後は、6月以降気温の上昇と共に高温乾燥を好む「ハダニ」による白い斑点の季節がやってきます。
どちらも、症状の軽い株もあれば、ガッツリとヤラレて生育が悪くなる株もあります。
手軽に始められるプランター栽培ですが、肥料や根回りの環境、プランターの土の種類や用土量、さらには水やりのタイミングによる過湿や乾燥…。
栽培の難易度は一般的な露地栽培の家庭菜園より高く、シビアな管理が必要です。
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最後までお付き合い頂き、誠にありがとうございました!
(:D)┓ペコリンチョ