プロでも困難なPVCへの接着
シマノ・ダイワ・阪神素地・双進(リバレイ)…。
ウェダーメーカー各社に問い合わせをしてわかった事は、そもそもPVCとフェルトの接着は相性が悪いと言うこと。
なんでもPVCは製造上混ざりモノが入りやすく、時間の経過とともにソレが接着面に出てきてソール剥がれの原因となるそうです。
もちろん、メーカーが製造する際にはソレらを考慮して数年は持つようにしっかりと接着するのですが、剥がれたソールの補修は個人では難しいとおっしゃっておりました。
市販の接着剤はフェルト同士を張る事が前提
ちなみにダイワさんや阪神素地さんからは、「スーパーフェルトボンドⅡ」や「フェルト交換用接着剤」なるモノが販売されております。
しかし、コレはあくまで擦り減った古いフェルトがPVCブーツに残っている場合の接着剤です。
つまりフェルト同士を接着するボンドであり、フェルトが本体(PVCブーツ底)から剥がれた場合は接着難易度は爆上がり!
フェルト交換用接着剤やスーパーフェルトボンドⅡの注意書きにも、
…とか、
…とあるので、注意が必要です(ウェダー本体のブーツ部分はほぼPVCです)。
擦り減ったソール交換なら可能
ソールが剥がれたのではなく擦り減ったソールの底を平らにし、フェルトソール同士を接着する事は可能です。
間違っても、ブーツ本体とフェルトの隙間にカッターを入れて古いフェルトを綺麗に除去しないようにして下さい。
メーカーにソール交換をお願いした場合は、古いフェルトを剥がして綺麗に交換してもらえますが、自分で補修する場合は、
…です!
ご注意下さいませ。
補修環境や技術が必要
ただし、この手の接着剤(ソール同士の接着が前提)でも補修が出来ないワケではなさそうです。
接着剤を塗った後、張り合わせる際のタイミング(外気温により差が出る)や、ソール底面のバフがけ方法(サンドペーパーやグラインダーで底面に残った糊を削り整える)など、ある程度の技術があれば市販のボンドでも十分接着可能との事。
それでも、数回の使用で剥がれて怪我をする危険があるのでメーカーは推奨していないと念を押されました。
フェルト交換するのに必要なコスト
実際、接着剤・サンドペーパー(グラインダー)・交換するフェルトなどを揃えると、一足分で概算3000円程度は掛かってしまうでしょう。
ソール剥がれが無く、擦り減ったソールと新品のソールを張り合わせるのも同等のコストは掛かります(ソールを平らにするのにグラインダーが必要なら+3000円)。
フェルトの厚さが十分残っており、剥がれたソールを張り合わせるだけなら接着剤とサンドペーパーで概ね1000円。
接着剤だけで済む場合を除き、失敗した時の事を考えると決して安くないと思います💦。
失敗談
ちなみに「みらどり」は過去に2度ほど剥がれたソールを接着した経験があります。
1度目は運良く、2年間ソールが剥がれずに使う事が出来ました。
しかし2度目は1回目と同じように補修し、完璧に付いたハズなのに
…で、片足のソールが剥がれて転びそうになった経験があります。
予備のウェダーなど持っていなかったので、その日は川に入れず岸をヨチヨチ歩きながら釣りをしたのを今でも覚えています。
フェルトの無くなったウェダーで、川の中を歩くと滑ることスベること!。
…後悔先に立たず、ですね笑。
お粗末(´>∀<`)ゝ!
メーカーに修理出しした場合の費用
ダイワ・シマノ・阪神素地・双進(リバレイ)にフェルトソールの交換修理を依頼した場合、両足で6600〜7700円※(税込)が相場。
※2023年12月調べ
購入先の修理対応によって、別途送料を取られるお店もあるので+αといった所ですね。
GORE-TEXなど高価なウェダーであれば、メーカーに依頼しても高くないと思います。
3000円掛けて自分で補修し、見事に実釣2時間でソールが剥がれた「みらどり」からすると…
…デス。
経年劣化なら買い替えも視野に入れる
加水分解による経年劣化なら、ソールだけ補修しても内側の防水テープからいつ水漏れが起こっても不思議ではありません。
もともとウェダーの推奨使用期間は2〜3年(使用頻度とお手入れ・保管状況による)と言われています。
この期間を過ぎてソールが剥がれたなら、事故や水漏れなどの嫌な思いをする前に、買い替えも視野に入れると良いでしょう。
そもそもウェダーの購入金額が1万円以下なら、消耗品として使い捨てる方が賢明かもしれません。
剥がれた原因が保管方法ならボンドで接着
購入したばかりのウェダーが、数回の使用でソールが剥がれる事もあります。
この場合、原因はほとんど保管方法である事が多いようです。
使い終わったウェダーのフェルトソールはなかなか乾きません。
その濡れた状態で、高温多湿の場所に放置(夏場の車内等)すると、フェルトソールがペロッと剥がれると釣具屋さんに聞いた事があります。
日に当てて乾かせば紫外線劣化してしまうので陰干しが基本ですが、フェルトソール内部の水分にご注意下さい!
接着するならリバレイボンドがおすすめ
と、ソール剥がれの補修が難しい事がご理解いただけた上で、それでも自分で補修するなら接着剤はリバレイボンドをおすすめ致します。
双進(リバレイ)公式HPの商品説明の中に、
…とPVCの記載があるので、安心してソールの張替えにもお使いいただけます。
別売のフェルトソール角切りなら、どのメーカーの靴底形状でもご自分でカットして張れ、人によっては1枚で2足分取れたという口コミも!
少し柔らかくソールの減りは早めですが、レーシングカーのタイヤのように【摩耗が早い≒グリップ力が高い】と同義です。
フェルトソールの接着剤に迷ったら、迷わずリバレイボンドを推奨します!
ソール交換のポイント
ウェダーメーカーである双進(リバレイ)さんの公式HPには、フェルトソールの交換方法が掲載されています。
プロが推奨する交換方法なので、コレを元にソール交換(接着)のポイントをまとめると次のようになります。
- 用意するのはリバレイボンド・カッター・サンドペーパー(#60)・ガムテープ
- 剥がれたブーツ底の糊をサンドペーパー・グラインダーで削り平らに整える(バフ掛け)
- フェルトとブーツの底面にリバレイボンドを塗り完全乾燥させる(約6時間)
- 再度リバレイボンドを塗り、半乾き(ベタベタした状態←タイミング大事)で接着
- フェルト全体を圧着し、ガムテープで固定する
- 1週間は乾燥期間をあけて完成!
ポイントは、最初にリバレイボンドを塗ったらそのまま6時間放置して乾燥させる事。
PVCとフェルトの接着が難しいので、一度ボンドを完全乾燥させ、ボンドとボンドを接着するイメージでしょうか?
詳しくは双進(リバレイ)公式HPをご参照下さいませ。
そもそも剥がれないウェダーは無いのか?
経年劣化だろうが保管方法が原因だろうと、釣りの最中に川の中でソールが剥がれるのはとても危険です。
接着にしても、マジックテープ式のソールにしても、ウェダーメーカーなら一度は過去になにかしらの事故(クレーム)を起こしているのではないでしょうか。
今回ソール剥がれについて各社に問い合わせをした際、そもそも万が一にもソールが剥がれない安全性の高いウェダーは無いものか質問してみました。
すると、シマノさんから素敵な回答が頂けたので最後にご紹介致します♪
ボンドがダメなら縫い付けちゃえばいいじゃない
もちろん、ふわふわなフェルトに直接縫い付けることは出来ません。
そこで、PVCとフェルトの接着が困難なら、PVCとEVAを接着し、EVAとフェルトを接着。
そのEVAをPVCブーツに物理的に縫い付けてしまえば、万が一接着剤が剥がれてもフェルトはEVAに付いたまま(ステッチダウン製法)。
このような安全性の高いウェダーを発売しているのは、技術屋であるシマノさんです♪
自転車パーツで世界を制するシマノさんは、安全性に対する姿勢も世界レベルですね!
ウェダーのソール剥がれの補修方法【まとめ】
長く鮎・渓流釣りをしていると、ダレでも一度は経験する?ウェダーのソール剥がれ。
「補修をしてみた」という記事は多く見受けられますが、その後どうなったかはほとんど追記が無いようです。
馴染みの釣具店店長さん曰く、
…との事です。
販売時に難しいと説明はするそうですが、ボンド自体は1000円程度なのでみなさんチャレンジしてみるようです。
この記事を読んで、やってみようと思ったら「リバレイボンド」を使用し、ブーツの底をバフ掛けしてから1度目の接着剤は張り合わせずに完全乾燥、2度目の接着でガムテ固定して下さい。
- 用意するのはリバレイボンド・カッター・サンドペーパー(#60)・ガムテープ
- 剥がれたブーツ底の糊をサンドペーパー・グラインダーで削り平らに整える(バフ掛け)
- フェルトとブーツの底面にリバレイボンドを塗り完全乾燥させる(約6時間)
- 再度リバレイボンドを塗り、半乾き(ベタベタした状態←タイミング大事)で接着
- フェルト全体を圧着し、ガムテープで固定する
- 1週間は乾燥期間をあけて完成!
…といいなぁ笑。
リバレイボンドを買うか、ボンドとフェルトを揃えるか、フェルトソールの剥がれないウェダーを検討するか…。
少しでもこの記事が参考になれば幸いです♪
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
(:D)┓ペコリンチョ