いきなり「どや顔」でマウンティングしちゃって大丈夫?!
たまたま糖度が上がったからって、再現性の無い偶発的なミニトマトでしょ?!
その時、シワシワになったミニトマトが映って「みらどり」のしわくちゃの超高糖度ミニトマトを思い出したよ!
一般的な糖度の上げ方
ミニトマトの糖度の上げ方は、下記の記事にてすでにご紹介しています。
みらどり 自分で育てたミニトマトは甘くて美味しいですよね!表題の写真のように、ヘタが枯れるまで樹上で完熟させると「幸せ」すら感じるなー💓 ちきちき えっ?!俺の育てたミニトマトは、そんなに甘くないんだけど・・・。 みら[…]
5つのポイントをリストにすると、
- 水を控えて糖度を上げる
- 窒素は控えめに与える
- 着果数を抑制する
- 窒素ゼロのアミノ酸入りの液肥を使用する
- 完熟させて朝採りする
となります。
しかしこれは一般的に行われている糖度の上げ方で、これを実践しても糖度12位までが限界だと思います。
もちろん、一般的にスーパー等で市販されているミニトマトの糖度は、概ね6度前後が多かった(みらどり実測)ので、糖度が8を超えると十分「美味しいミニトマト」と感じると思います。
また、フルーツトマトと言われるような、高糖度を自慢とした商品は8~12度位が多いようです。
みらどり 今回は「みらどり」がプランターで栽培したミニトマトと、市販の高糖度ミニトマトの糖度を計測し、どちらが美味しいミニトマトか検証してみたいと思います! ちきちき お、それは面白そうな企画じゃん!1粒125円もする「ジュリ[…]
自分で育てたプランター栽培で糖度8度を超えるだけならば、上記の一般的な5つのポイントだけでも十分達成可能だと思います。
しかし!2018年に1度だけ「糖度24.3度」を記録した事があり、それ以降再現出来ていない「究極の超高糖度プレミアムミニトマト」の作り方が実証出来ていませんでした。
趣味の家庭菜園ですから、大量生産して販売する必要はありません。あくまで、自分だけが味わる分だけ、1株から数個でも良いので「メロンよりも高糖度のミニトマト栽培」を再現する方法を検証してみたいと思います。
超高糖度ミニトマト栽培のデメリット
一般的な高糖度ミニトマト栽培でも、水分制限により株に負担を掛け続ける栽培法ですので、とてもシビアな管理が必要です。
当然、超高糖度を目指す場合はそれ以上に難しくなります。水分を抑制することで、カルシウム欠損による尻腐れや、実を小さく育てると裂果のリスクも増大します。
また、実を長く母樹に付けておくと、5段、6段目くらいで株が限界を迎える事が多くなります。
3段目くらいまでを収穫すると「夏休み」期間となりますので、お盆過ぎからの栽培復帰後の3段で糖度を出していくようになります。
多段栽培をして、沢山のミニトマトを収穫したい場合は高糖度とは両立しないとお考え下さい。
沢山収穫する栽培技術はプロの農家さんにおまかせして、趣味の家庭菜園にしか出来ない少量高品質のミニトマト栽培を目指す方にオススメの栽培方法となりますのでご注意下さい。
深町貴子さんの育てたシワシワのミニトマトを発見!
表題の写真は、CBCテレビ制作「健康カプセル!ゲンキの時間」第415回放送の中で紹介された、大人気の園芸家である「深町貴子」さんの育てたミニトマトの画像です。
番組では家庭菜園のメリットとして「市販の野菜では摂れない栄養素」に着目し、ミニトマトやゴーヤのワタ、ピーマンを完熟させて栄養満点にしてから収穫出来る事を紹介していました。
また、毎朝の水やりで朝日を浴びる事や、軽い運動程度の作業はストレス解消にも効果的との事。
実際に60代の男女21人がハーブ栽培を体験したところ、苗をプランターに植え替える作業でストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの値が減少する傾向を示したデータが。さらに、不安・不眠・うつなどの症状の改善の傾向が示されたというデータもあります。
引用元:CBCテレビ制作「健康カプセル!ゲンキの時間」第415回放送アーカイブより
その放送の中で「みらどり」の目に留まったのが、表題の「シワシワになったミニトマト」です。
2018年に超高糖度を叩き出した「みらどり」のミニトマトと比べ、シワシワ具合が異なりますが、同じように実の水分が抜ける現象は起こる!と確信した瞬間です。
番組内で深町貴子さんは、
「市販のミニトマトは完熟してから出荷したら、実がグズグズで痛みやすいので早採りが基本です。でも、自分で育てれば栄養価も高く、甘くて美味しい完熟したミニトマトが食べられます!」
というようにご紹介していたと思います(みらどりの解釈が良い方向に働いているかもしれませんのでご了承下さい(笑))
おそらく、通常の「完熟」採りの事をご紹介しているのですが、1粒だけ実がシワシワになっています。
なんらかの原因で実から水分が抜けていると予測出来ますが、こうなるとミニトマトの糖度は爆上がりする事はすでにご紹介の通りです。
深町貴子さんのHPやユーチューブ動画などを隈なくチェックし、深町流ミニトマト栽培から「シワシワのミニトマト」の検証をしてみます。
ミニトマトの実から水分が抜ける理由
過去の記事にもご紹介しましたが、ミニトマトの実から水分が抜ける理由を「一般社団法人 日本植物学会 みんなのひろばの植物Q&A」に質問してみました結果は以下の通りです。
【永田先生の回答】
野菜茶業研究所で実験用に25年ほどトマトを毎年栽培してきた経験もふまえ、一般論でお答えします。
まず、トマトの糖度は、だいたい品種によるところが大きいと思います。ふつうの栽培法で栽培したときの糖度については、育成者(種苗会社)に問い合わせていただくのが、いちばん良いと思います。「つやぷるんゴールド」は、品種名ではなく、商品名のようです。品種名は、「CFプチぷよイエロー」と推定されます。この品種は、表皮が薄い特性のようです。
一般的に、栽培で糖度を高くするには、根から吸収する水分を制限することになります。潅水量を減らすか、水耕液中の塩濃度を上げるなどの方法があります。これにより、葉の光合成量に比べて、果実の肥大に使われる水分が相対的に少なくなるため、結果的に果実の糖度が上昇します。水分を制限するため、普通栽培に比べて小さい果実になります。
一方、お問合わせのケースは、まず果実が完成(完熟)した後に、水分が抜けてシワシワになり、内容分の糖度が高くなっているようですので、上記とは異なるメカニズムと考えられます。トマトの樹についた状態で放置されたために、いわば「干しぶどう」のようになったと考えられます。
この品種は、表皮が薄いので、一般的なミニトマトに比べ、表面から水分が失われやすいことも原因のひとつと考えられます。 糖度の測定法については、問題ないと思います。
結論としては、トマト果実の成熟後も収穫しなかったために、果実への水分供給が低下し、樹上で水分が徐々に失われて、干しぶどう状になり、糖度が上がったものと思われます。完熟した果実は老化期(後熟期、自己崩壊期)に入る頃で母樹からの水、糖の供給が停止し始めますがその時期は決して一定ではありません。そのため、上手く干しぶどう状になる再現性が低いのだと思います。シワシワになる前に糖度を測れば、もっと低い糖度だったと推察されます。
引用元:「一般社団法人 日本植物学会 みんなのひろばの植物Q&A」
つまり、ミニトマトの実の成熟過程において、緑熟期、催色期、桃熟期、完熟期までは養水分の供給があり、自然と糖度は上がる。
しかし、完熟の向こう側・・・「老化期(過熟期、後熟期、自己崩壊期)」をむかえると、母樹からの養水分の供給が止まり、皮の薄い品種においては実からの蒸散で水分が抜けて相対的に糖度が上がるという原理のようです。
しかし、その後の栽培で「みらどり」が再現出来なかった理由が、深町流ミニトマト栽培で分かった気がします。
ミニトマトを長く栽培することが条件
深町流ミニトマト栽培は、ミニトマトを長く栽培する為に「夏休み」をもうけています。
アンデス原産のトマト栽培において、高温多湿の日本の気候は決して適した環境とは言えません。
トマトの生育適温は、昼間は20〜25度、夜間は10〜18度です。また、果実の発育期には10度程度の昼夜の温度差が必要との事。
そのため、気温が30度を超えてくると花粉が傷んで花が落ちたり、実が落ちる生理現象が発生します。
しかし、日本の熱帯夜はそれを叶えてはくれません。そこで、深町流ではミニトマトに夏休みを設けています!
生育適温から外れる気温が30度を超える日本の夏は、肥料を切って日陰で休ませるそうです。
これにより、お盆過ぎからの生育が順調に進み「クリスマス」まで収穫しているそう。
長く実を母樹に付けておくことが「糖度を爆上げする条件」だとしたら、ミニトマトをなるべく長く栽培出来なければいけません。
2018年以降「みらどり」が再現出来なかった理由が解明されました!ミニトマトにとって過酷環境となる「日本の夏」を乗り切れなかった事が原因でした。
ミニトマトを長期間栽培する4つのコツ
出来る限り長期間ミニトマトを栽培するコツをまとめてみました。
- 生育適温を外す季節は、実を付けず日陰で休ませる
- 雨の日は必ず防雨出来る場所に避難する(裂果防止)
- 病害虫防止の為、肥料は少な目(必要な時に必要な量)で管理する
- 最適な「育て方」は環境によって異なる為、「育ち方」を観察する
生育適温を外す季節は、実を付けず日陰で休ませる
「みらどり」の失敗は、ほぼこれ集約されます・・・。超高糖度にしようと、生育適温を外した7月に1段果房〜3段果房まで、沢山の実を付けっぱなしにしていました。
それにより、ミニトマトの株が一気に弱ってしまうのでしょう。日本の夏を乗り越える為には、1段〜3段果房までは早めに収穫しようと思います。
雨の日は必ず防雨出来る場所に避難する(裂果防止)
また、せっかくプランター栽培なのですが、雨よけも怠っていたので「裂果」もそこそこ発生していました。
長く母樹に付けるのに、裂果してしまっては元も子もありません。トマトの露地栽培はハウスが基本ですが、プランター栽培も雨除け作業(プランターの移動)は必須のようです。
低温に強く、高温に弱い。少肥に強く、多肥に弱い。乾燥に強く、加湿に弱いミニトマトの性質を第一に考える事が大切です。
病害虫防止の為、肥料は少な目(必要な時に必要な量)で管理する
この項目は問題ありませんでした。長期間効き続ける元肥入の培養土は使用せず、日向土などの無肥の土を使用し、液肥で追肥型にする事は一般的な栽培方法通りです。
ただし、その与えるタイミングは1週間とか2週間に1度とは決めずに、ミニトマトの生育状況を見て決めているそうです。
また、夏休みをとらせているミニトマトには肥料は与えないとの事。
このあたりは、育てる環境がそれぞれ異なるので「ミニトマトの育ち方」を観察するより他ありません。
経験がものを言いそうですが、趣味の家庭菜園に失敗はありません。失敗は成功の元。次に生かせる経験値が溜まっていきます。
最適な「育て方」は環境によって異なる為、「育ち方」を観察する
当ブログで紹介しているミニトマトの育て方や、市販の教科書、ブログやSNS、ユーチューブなどで紹介されている様々なミニトマトの育て方。
それらに正解は無いのかもしれません。何故なら、温度や湿度、日照条件などのミニトマトを育てる環境が異なるからです。
しかし、ミニトマトの持つ特性や、どうやって育つのかという「育ち方」はどのような環境でも役に立つと深町先生はおっしゃっています。
また、品種改良などで日本の夏に適したミニトマトが生まれるかもしれません。今あなたの育てているミニトマトの特性にあわせた育て方が必要です。
そのために、まずは良くミニトマトを観察しましょう。ミニトマトの声が聞こえてきたら、家庭菜園の達人の粋に到達しています(笑)。
メロンより高糖度なプレミアムミニトマト収穫!?再現するのに必要な条件とは【まとめ】
深町先生の栽培法を取り入れ、超高糖度ミニトマトにチャレンジしたいと思います!
実証出来てから記事にしたほうがいいんじゃない?
でも、今回ご紹介した、深町先生はすでに「シワシワのミニトマト」を実証していたし、あくまで検証記事なもので。再現出来たら、記事を書き直しますのでお許し下さい。
まぁ、丸投げは「みらどり」の特技出しね。深町先生のユーチューブ動画は魅入ってしまったから許す!
メロンの糖度を超える、超高糖度ミニトマトを収穫するには、下記の4つのポイントをおさえた、長期間の栽培が必要です。
- 生育適温を外す季節は、実を付けず日陰で休ませる
- 雨の日は必ず防雨出来る場所に避難する(裂果防止)
- 病害虫防止の為、肥料は少な目(必要な時に必要な量)で管理する
- 最適な「育て方」は環境によって異なる為、「育ち方」を観察する
また、今回ご紹介した「メロンより高糖度なプレミアムミニトマトを栽培する」のには「デメリット」もあります。
一般的に、長く実を収穫せずに母樹に付けておくと、生殖成長が強くなり栄養成長が抑えられます。
生殖成長はトマトにとっては子孫へと託す最終目標です。これにより、ミニトマトの株自体が弱るのは必然です。
より多くのミニトマトを収穫したい場合は、この栽培法は適しません。
一般には決して出回らない、家庭菜園だけの楽しみである「超高糖度のプレミアムミニトマト」を栽培したい人だけがお試し下さい。
記録に挑戦する「みらどり」は、今後も夢今チャレンジし続ける予定です。
この記事で「みらどり」が使用したのは👇のポケット糖度計 PAL-1です。
清水の舞台でツイストを踊る勢いで購入致しました!
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