アイキャッチ・記事内画像出典:SHIMANO
10年使う為に
塩ガミが一番の敵
22ステラは「10年使い続ける事が出来る」と表現致しましたが、使用頻度や使い方、日常のメンテナンス等、人によって寿命は異なります。
1995ステラを2022年現在、未だに愛用している「みらどり」のメンテナンス方法をご紹介致します。
特にシマノフラッグシップモデルである【ステラ】に限ると、個々のパーツ剛性や耐久性が高いので、日頃のメンテナンス次第では末永く使い続ける事が可能です。
その間ノーメンテナンスではさすがにガタが来ますが、発売から4年で廃盤になったとしてもその後5年はパーツを供給し続けるので、発売年に購入すれば実質10年以上使うことが可能です!
せっかく高価なリールを手にするのであれば、大切に永く使って頂きたいと思う「みらどり」からのご提案です♪
「ステラオーナー限定」と表題にはございますが、ステラ以外のフラッグシップリールにも役に立つ内容もあると思います。
自分で分解してメンテナンス出来ないというあなた…お時間のある時にでもお読みくださると幸いです♪
日常のお手入れ
メンテナンスの基本は水洗い
正直、ステラクラスになるとパーツ点数も増え、各所の締め付けトルクや微調整がシビアで、シマノのアフター担当でもとても時間が掛かると聞いた事があります。
18ステラ1000でパーツ番号115まであます。21ナスキー1000はパーツ番号78です。約1.5倍多い事になりますね。
製造部門が、アフターの事を考えずに設計している!と愚痴を言っていたとかいないとか…笑。
それほど機能・デザイン優先で、表面からネジ一本無い現行のステラは、当然日頃のメンテナンスも出来る事が限られてきます。
基本的には防水性能をあげ、メンテナンスフリーで使用出来るように設計してあります。
よって、日常のお手入れは表面に付着した汚れを水で流す程度で充分と考えます。
インフィニティで無限の煌めき
また水洗いだけで簡単に汚れを落とす為には、あらかじめ水性ガラスコーティング剤の使用がオススメです♪
22ステラはインフィニティレボリューションとして、3つのインフィニティがあります。
インフィニティクロス
インフィニティループ
インフィニティドライブ
そして、第四のインフィニティガラスコート…。
詳細はこちらにございますのでお時間のある時にでもどうぞ👇
みらどり 2019年に釣具用水性ガラスコーティング剤「インフィニティ」が発売されて以来、竿やリールはもちろんスマホ・ノートパソコンなど身近なギアに煌めきを与え続けている「みらどり」です♬そりゃもうビッカビカのサラサラですよ![…]
リールは五感で直す
これは、シマノアフターページに掲載されている修理担当者のこだわりです。
そこには、一長一短ではいかないリール修理の苦労が垣間見られます。
生き物と触れ合うようにリールと向き合う
シマノ公式HP カスタマーセンターより
リールをゆっくりとハンドルをまわし、ドラグの感触を指先のフィーリングで確かめ、そこから生まれてくる音に耳を傾ける。修理を託されたリールを手にして職人がはじめに行う一連の動作は、医者が患者を触診する様にどこか似ているかもしれません。個々のリールの状態が記された修理票は、いわばカルテ。職人たちはひとつひとつのリールと五感で向き合い、不具合箇所の確認とその原因追求を行っています。同じ品番のリールであっても、使い方やシチュエーション、これまでに経てきたプロセスは千差万別です。ひとつとして、同じ状態のステラはありません。答えがひとつではない「修理」という作業において物をいうのは、長年培ってきた職人としての勘と、釣り人としての経験値。職人たちのなかには、自身も釣り人として魚を愛する者も多く、実釣現場での経験が修理のシーンにも生かされています。どんな時も「釣り人目線」で修理と向き合うのがシマノのスタンスです。
シマノカスタマーセンターの一般的な修理のこだわりを説明した文章中に「同じ状態のステラはありません」と記載があります。
この一文からも、それほどステラに関するアフターは特別だと感じられます。
「一年に一度シマノアフターへオーバーホールを依頼する」
これが「みらどり」の出したステラに関する永く使い続ける為のメンテナンスの結論です!
バラすな危険
不用意に素人が分解すると、組み込む順番や締付けトルク、最後まで組み上げた時の機械的なバランスを損ね、回転が重くなったり、微妙な違和感が発生します。
「みらどり」は、普及価格帯のナスキーですら組み直す事が出来ません。
いや、分解するのは簡単なんですが、元に戻すことが出来ないんです笑。
世の中の手先が器用なステラオーナーさんは、自分で分解してメンテナンスしている記事をアップしています。
しかし、それを参考に1工程づつ写真を撮りながら分解しても、ぶきっちょな「みらどり」は元に戻す事が出来ませんでした泣。
それ以来
「不用意にステラに手を出すな(分解不可)」
が、座右の銘になりました笑。
ステラはシマノアフターに一年に一度オーバーホールを依頼する事が最良のメンテナンス方法だと考えます♪
シマノへ修理出し
餅は餅屋、修理はシマノアフターサービスへ
「みらどり」は日頃親しくさせて頂いてる実店舗で購入しているので、アフターの持ち込み・相談は店長さんにおまかせしています。
しかし、近くに釣具店が無くネット購入された場合などは2通りの方法がございます。
実店舗へ持ち込む
一つは、購入したお店ではなくてもシマノ製品の取り扱いのある釣具屋さんに持ち込む方法。
新品不良などのクレーム修理は断られますが(苦情対応は販売店舗の責任です)、オーバーホールは修理料金が発生するので断られる事はありません。
釣り竿等の保証書が付く修理の場合でも、保証書と購入店舗・購入年月日の証明(レシートや領収書等1年以内のもの)があれば免責金額で修理を受け付けてくれると思います。
修理品を持ち込んで、戻ってきたら取りに行く手間はありますが梱包する必要が無いので安心して修理出し出来と思います。
ご自宅から発送
もう一つは、シマノの【ダイレクト修理サービス】を利用する事。
パソコン・スマホで申し込み、ご自身で釣具が運送中に破損する事が無いよう強度があり厳重に梱包する必要がありますが、指定した場所(ご自宅)まで宅配業者が集荷に来てくれます。
店舗依頼より、別途送料税込2000円(リールの場合)が加算されますが、実店舗までの往復の交通費や手間を考えたら決して高くはないと思います。
その後お見積り案内に回答し、無事修理が完了すればご自宅まで届けてもらえます。仮に修理をしない場合には、手数料・送料は請求されますので注意が必要です。
最高級のスピニングリール、定期的なオーバーホールの依頼先も予めイメージしておく方が賢明ですね。
オーバーホールのコース内容
スマホの料金プランが単純化されたように、シマノのアフター依頼も単純化されました(2021年8月2日からコース名称、内容および料金体系が変わりました)。
これにより、パーツ交換を行わないスタンダードコース(税込3960円)と、プロの判断におまかせするフルメンテナンスコース(税込4510円〜16500円)の2つになりました。
使い方に依存しますが、「みらどり」は過去にステラ等の上位機種が1、2年でパーツ交換するほど酷く摩耗した事がありません。
ベアリングなどの消耗パーツが気になりだすとキリがありませんが、リールに高負荷をかけるような激しい使い方をしなければ2年程度はスタンダードコースで問題ないと思います。
逆に、1年目でも気になる症状があれば、フルメンテナンスコースでメーカー判断にまかせてしまったほうが良いかもしれませんね。
戻ってきたお見積りを見てから判断しても遅くはありません(見積もりだけで修理をしない場合税込550円必要ですが、スタンダードコースに切り替えれば(修理をすれば)問題ありません)。
オーバーホールはリールの定期健診
分解・洗浄し、グリスアップをしながら組み直す…。
リール内部のメンテナンスにはプロの高いメンテナンス技術が必要です。
ステラなどの最高峰リールを末永くお使い頂く為、年に1度は病院(シマノアフターサービス)で定期検診を受けさせて欲しいと思います♪
オーバーホールの頻度
続いて、具体的なオーバーホールに出す頻度について。
車もそうですが、新車の時は慣らし運転&オイル交換が必要です(最初はスラッジが出やすい)。
金属パーツが擦れ合い、適度な馴染みが出るまでは内部のオイルに汚れが付着します。長く使っているとギアにゴロツキ(隙間)が出来るのは、金属が摩耗して起こります。
どんなに表面硬度の高く、特殊表面処理(バリギア)が施されたステラのHAGANEギアでもそれは同じです。
市販のオイルやグリスを「注油」する事は出来ても、本来なら汚れが付着した油を完全に洗浄してからでないと意味がありません。
毎年必ずスタンダードコースによるオーバーホール、3年に1度のフルメンテナンスコースを行い、廃盤から5年経過する最後の10年目にフルメンテナンスコースを行う事が永く使うポイントです。
2年目 スタンダードコース
3年目 フルメンテナンスコース
4年目 スタンダードコース
5年目 スタンダードコース(廃盤かも?)
6年目 フルメンテンスコース
7年目 スタンダードコース
8年目 スタンダードコース
9年目 スタンダードコース
10年目 フルメンテナンスコース(廃盤から5年、最終パーツ製造期限前の最後のフルメンテであと3年は使いたい)
注意:廃盤から5年でただちにパーツが無くなるわけではありません。在庫のなくなったパーツから製造中止となりますが、当然頻繁に交換が必要な消耗パーツから在庫が無くなります。
コストパフォーマンスを考えたら
ちなみに、スタンダードコースでも税込3960円かかるので、実勢価格が1万円前後のナスキーなどは1年使ったら1度だけオーバーホールを行い、あとは壊れるまで使い倒すのがオススメです。
個々のパーツの耐久性がステラのそれとは異なるので、2、3年で買い換える方がコスパに優れていると思います。
表題にステラオーナー限定…としたのは、オーバーホール料金とリール本体の減価償却のバランスからコスパを考えての事です。
ステラの1つ下のツインパワーだと、実勢価格3.5万円とすれば、2年目まではスタンダードコース、3年目にフルメンテナンスを行って使い倒す…のが賢明ではないでしょうか?
ただしどのリールを使っていたとしても、永く使ったリールは過去に釣り上げた魚との思い出が蘇り、とても愛着が湧くものです♪
コスパを考えずリールを大事に長く使いたいのなら、毎年スタンダードコースによるオーバーホールを行い、3年に一度フルメンテナンスを行うのも良いのではないか?とも考えます。
メンテナンスの注意点
最後に、日頃のメンテナンスの注意点をご紹介致します。
ハンドルノブの回転軸や、ラインローラーのベアリングなど、分解しなくてもオイルをさせる箇所もありますが、下手なオイルを使うと逆効果です。
毎年定期検診(オーバーホール)に出すのであれば、基本釣行後の水洗いだけでも充分だと思います。
その水洗いするタイミングや、絶対使ってはいけないオイルなどをご紹介致します。
海で使ったら使用後すぐ水で流す
海水使用時のとても重要なポイントです!リールの最大の敵はズバリ「塩分」だと思って間違いありません。
スピニングリールに限らず、およそ海で使用する釣具のメンテナンスの一番大切な事。
それは、海水が付着したら、乾燥して塩の結晶になる前に真水で洗い流すこと!!
大切なのでもう一度言います。
海水を真水で洗い流すのは簡単ですが、乾いて固形になった塩は落としにくい(溶けにくい)という事です!
塩をお湯に溶かすのは簡単ですが、冷たい水に溶かすのはかき混ぜてもかき混ぜてもなかなか溶けてくれずに苦労します。
しかし、リールにお湯は厳禁です。オイルやグリスが柔らかくなり溶け出してしまうからです。
リール以外はお風呂で洗う
釣り竿のガイドや、ハサミ、ペンチなどは一緒にお風呂に入って塩を洗い流しますが、リールだけは現場で塩を落とす必要があるのです。
「みらどり」は、釣りが終わったら現場でリールだけ真水で丁寧に洗い流します。
理想は水道の蛇口を軽くひねった程度の水流で2、3分リールに水を掛けること。釣り場に蛇口が無ければ、2Lのペットボトルに予め水を入れておき、ジョボジョボとリールにかけます。
これだけで、帰ってからの処理がだいぶ楽になるはずです。
水洗いOKでもドブ漬け厳禁
ただし、面倒だからと言ってリールを真水の中に水没させてはいけません!
水洗いOKのリールは、船で使う電動リールといえども水中にどぶ漬けは厳禁です。
時計で言えば生活防水程度と考えて、水圧をかけないようにじょぼじょぼと水にあてるほうが安心です。
唯一「Xプロテクト」採用の上位機種(ステラ含)では、10秒程度の水中での水洗いが可能なくらいの防水構造との事です。
しかし、あえてそこまでしなくても海水の状態なら水を流すだけでも比較的用意に落ちますので割愛させて頂きます。
556ダメ絶対
臭いをかげば一発でわかるKURE(呉工業)の「KURE5-56」
「みらどり」が釣りを始めた30年前から使われてきた伝説のスプレーです…。
その用途は【多用途・多機能防錆・潤滑剤】とあり、吹き付けるとただちに回転が良くなり…次第にガタガタと異音が聞こえてくる。
つまり、強い浸透力で金属表面の水分・油分を置換し薄い被膜を形成することで、潤滑性と防錆性を実現するいわゆる防錆洗浄剤。
これにより既存のオイルやグリスを綺麗に溶かして洗い流し、吹いた瞬間は抜群の回転をみせるのですが、その数時間後にはガサガサな金属表面だけが擦れ合う…という代物。
あまりにも有名な556ですから、とりあえずコレで…と使ったら最後、リールがボロボロにるのは必然です涙。
「みらどり」は何十年もメーカー任せで、自分でリールをメンテンナスをした事がありません。
しかし、どうしてもお使いになるのなら、シマノ純正のメンテナンススプレーが安心です。
文字通り、ステラやアンタレスなどのフラッグシップモデルに採用されているシマノ純正オイル・グリスなので、間違いは起こりません。
ただし「過ぎたるは及ばざるが如し」です。
オイルやグリスの注油のしすぎは、汚れを付着させる原因になったり、回転フィールが重くなる原因にもなります(556で回転が軽くなる逆の現象が起こります)。
特にステラなどのフラッグシップモデルは、普段は水洗いだけして毎年オーバーホールに出す方がオススメです。
海水に水没は全損
ちなみに、真水でも水没は厳禁でしたが、万が一海水に水没させた場合、最悪【全損】というお見積りが帰ってくるかもしれません。
内部に海水が入れば、当然すべてのパーツが塩ガミします。
1、2点のパーツ交換でも、パーツはすべて定価販売。どこから出しても修理パーツは割高なので、水没の場合あっという間に修理金額が定価を超える事になります。
つまりは全損扱いに…。
すぐに海水から引き上げたとしても、水深によっては水圧で内部に海水が入ります。
その日に全バラシ出来れば間に合うかもしれませんが、翌日修理に出したとしてもアフターに届くのはさらに先。アフターに到着しても順番待ちの間にどんどん症状は悪化します。
以前、リールを砂浜に落として砂だらけになったから海水で洗った釣友がいました。
後日リールがゴロゴロになった為、修理に出したときには時すでに遅し。
もれなく【全損】扱いで修理不可で戻ってきたそうです。
「Xプロテクト」採用のステラなら助かったかもしれませんね♪
砂浜に落とせば即オーバーホール
先ほどの釣友の例にもありましたが、万が一砂浜でリールをずぼっと落としたら…。
それ以上リールは使わずに、海水で洗うこと無く、即日シマノアフターにスタンダードコースでオーバーホール修理に出しましょう。
リールのオイルやグリスに細かな砂(石)が付着し、稼働させるとヤスリのようにガリガリリールを痛めます。
この場合、分解、洗浄してオイル・グリスと一緒に砂を洗い流し、グリスアップしながら組み直さなければなりません。
パーツ交換が無ければスタンダードコースで税込3960円で復活します。
決して釣友のように手近にある「海水」で洗ったりしないようにして下さい!
また、真水で入念に流してもオイルやグリスは水と油。
そう簡単には流れ落ちませんので、完全に砂を取り除く事は出来ません。
オーバーホールに出して、プロの整備にお任せしましょう♪
リールの定期検診でコンディションキープ
「ステラは毎年オーバーホールに出して末永く愛用しよう!」で、すむ内容だよね笑。
それでは最後に「わんだまん」が結論を導いてくれたので、その言葉で締めくくりたいと思います。
「ステラは毎年オーバーホールに出して末永く愛用しよう!」
2022年現在、みらどりが現役で使っているステラは1995、2007、2010ステラです。
末永く大切にリールを使い続けるために「みらどり」が実際に行ってきたメンテナンス方法のご紹介でした。
ちなみに、ドラグ緩めでリールに高負荷をかけない事も永く使えている秘訣かもしれません。
ぜひとも塩ガミだけには気をつけて、定期的なメンテナンスで永く大切にお使い下さいませ。
【永遠に変わらない滑らかな巻きごこちを求めたステラ】で最高のフィッシングライフをお送り出来る事を願っています♪
最後までお読み頂き誠にありがとうございました(:D)┓ペコリンチョ
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メンテナンスの基本「水洗い」の前に施工すると楽になります👇
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