ステラ・ヴァンキッシュ・ツインパワーの位置付け
世界のシマノが世に送り出すスピニングリールのフラッグシップモデル(旗艦機種)であるステラ。
シマノ スピニングリールの中で、最も高品位の機能、性能、品質を備えた最上位機種という位置付けです。
シマノの顔となるべくモデルで、最も妥協を許さない最上位機種と言えます。
一方、ステラ≒ヴァンキッシュという表題の表現通り、機能面では双璧をなすハイエンドモデル(上位機種)がヴァンキッシュ。
特徴としては、ステラの持つ機能・性能をそのまま引き継いだシマノ スピニングリールの最軽量モデルとなります。
当然、軽量化に伴い剛性を犠牲にしているのでステラより寿命は短くなるのは致し方ありません。
また巻き心地も「フルメタル」のステラに比べ、若干チープな印象を受ける方もいらっしゃるでしょう。
しかし、そのおもちゃのような巻き心地こそがヴァンキッシュの最大の特徴(メリット)となります。
つまり雑音を拾うほどの軽量化は、巻き感度が高いことの裏付けなのでステラでは味わう事の出来ない
…を感じる事のできる唯一のモデルとなります(自重が軽いだけではこの変化は感じられないので、ステラの機能・性能を有しているヴァンキッシュだけの感度と言えるでしょう)。
最後にツインパワーですが、表題のようにステラ・ヴァンキッシュよりは下の位置付けとなります。
系統的には軽量モデルのヴァンキッシュではなく、ステラ系統のオールラウンド実践モデル。
20ツインパワーからローターがメタルになり「ほぼステラ」と評される実用機種ツインパワー。
20ツインパワーでは、本体フタパーツが樹脂であったので「半プラ」と揶揄されましたが、それ以外の機能面はほぼステラと言っても過言ではありませんでした。
ただしステラと比較して価格差が約1.9倍もあるので、長期間使用した際の耐久性という面では下だと言わざるを得ません。
24ツインパワーが、機能面でステラとほぼ同じに仕上げてくるかの最大の課題は「超密巻き(インフィニティループ)」搭載が鍵を握っています。
予想記事はこちらをご参照下さい👇
※表題の画像は24ツインパワーのイメージです。 みらどり 22ステラ、23ヴァンキッシュときて、いよいよ2024年は最強の実用機「ツインパワー」モデルチェンジの年となりそうですね!気になるのは、フラッグシップに搭載されたインフィ[…]
ステラについて
ステラ開発当初のコンセプトは、
…だったそう。
初代ステラの開発には、機能性だけでなく使う喜び・所有欲を満たすリールを目指したそうです。
技術屋シマノが、外部デザイナーの協力を依頼するほどの力の入れようだったとは有名な話。
単なる道具としてのスピニングリールから、ブランディングを意識し唯一無二のシマノ フラッシグシップモデルがステラです♪
使用感
シマノ スピニングリールのフラッグシップモデルを25年前(95ステラから)から使用した感想は、
…に尽きます♫
実際に22ステラ1000SSPGをトラウトで、22ステラ4000Mをシーバスで2年間使い倒していますが、どちらもギア馴染みが出てきて今が最高の巻き心地です。
購入した時は、若干巻きに違和感があった(個体差レベル)のですが、今はまったく感じられなくなりました。
発売当初はイロイロと騒がれておりましたが、長く愛用できるフラッグシップモデルなので心配はしておりませんでした(本当は少し気になってました💦)。
力が逃げない精密なフルメタルが最大の特徴
ボディもローターもドラグノブですらメタルを使用した高剛性・高耐久モデルです。
精密機器と呼ばれるような巻き心地は、リールを巻いているだけで、
…になるのは、ステラオーナーの特権だと思います笑。
1000番からC5000番まで、どの釣種にも最高級の使い心地を約束してくれるのがステラです!
10の力でハンドルを巻くと、パワーロス無くほぼ10の力でローターを回して糸を巻き取るのがフルメタルの性能。
また大物とのやり取りも、ローターがタワマない事で安定したドラグ調整幅の範囲内で糸が滑るので、ラインブレイクの削減にも一役買っています。
特別な塗装が施されているので見た目も美しく、「みらどり」のような道具マンの所有欲を満たしてくれるのもステラの役割の1つですね笑。
手厚い品質保証
ステラと双璧をなすヴァンキッシュとの違いは、ズバリこの品質面だと感じます。
ヴァンキッシュより約1.4倍高いステラ。
その2万5千円〜3万円の価格差は、フラッグシップモデルならではの品質保証にあるのではないでしょうか?
メーカーの威信をかけた22ステラ発売時は、わずかな個体差による巻き心地クレームを全力で対応していたと聞いています。
しかし、ヴァンキッシュでは同様の修理依頼はほぼ「調整」だけで送り返されたと釣具屋さんがぼやいていました。
過去に購入した「みらどり」の10ステラも、購入後1年以内の些細なクレーム(主に巻き心地に関する事)は、無償修理で複数のパーツが交換されていて驚きました。
メーカーでは特に明記されておりませんが、フラッグシップモデル ステラだけの手厚い保証…
…「みらどり」の感想です。
オススメの使い方
どのジャンルの釣りに使っても、間違いなく最高の使い心地を約束してくれると思います。
しかしあえて言うなら、負荷の高い釣りモノ(大物)や、リールを巻き続ける釣りモノがおすすめです。
スピニングリールに一番負荷がかかるのは、ドラグをガチガチに締めた大物とのやり取りです。
この手の釣りモノの場合、ふにゃふにゃなスピニングリールだと、初回使用でもメイン・マスターギアがゴロゴロする事もあります(当然クレームは通りません)。
マグロ釣りの世界で、乗船者のほぼ9割以上がステラSWを愛用しているのがその答えだと思います…。
また決して自重が重いわけではありませんが、ローターがメタルの特徴として、
「巻き始めが重く巻き続けると慣性で軽くなり、ピタッと止まり難い」
…事があげられます。
つまり巻きモノには最適ですが、巻いたり・止めたりを繰り返すような釣りには若干使い難い(気になるレベルではないですが)と感じる事があるかもしれません。
詳しいステラの詳細は、コチラの記事をご参照下さい👇
アイキャッチ・記事内画像出典:SHIMANO みらどり この記事では25年間ステラを愛用してきた「みらどり」が、ステラを買い続ける理由を徹底レビュー。歴代ステラの歴史から、自身が愛用してきた95ステラ・07ステラ・10[…]
ヴァンキッシュについて
23ヴァンキッシュ1000SSPGを使いはじめてから約半年が経とうとしています。
どうしてもステラと比較して下に見られがちなヴァンキッシュですが、使うシチュエーション次第ではステラより上だと断言できます!
…という事は、絶対的振動特性で証明されていますが、スピニングリールの構造上「ローター」の軽量化は「巻き感度の向上」に直結します。
エリアトラウトではステラ優位の釣り方(某村田氏の得意とする重めのスプーンの巻き)や、ヴァンキッシュ優位の釣り方(激戦区で1g以下のルアーを使用した釣り)があるので、どちらが上か一概には言えません。
しかし、ステラ至上主義ではこの感度は手に入らないので注意が必要です。
想像以上の巻き感度
これは実際に実釣で巻き比べてみないと分からないと思います。
店頭で空巻きするだけではどちらも軽く感じますし、むしろ慣性の働くステラの方が巻き心地が気持ちいいので優れていると勘違いするかもしれません。
パワーギアとノーマルギアのギア比の違いでも若干イメージがつくかもしれませんが、巻き心地を軽くすると感度は落ち、巻き心地が重いとザラザラとした違和感を感じます。
ソレこそが巻き感度になるので、XGのリールが巻き心地が悪いと感じる理由となり、感度が高いことの証明にもなるのです。
フルメタルでカチカチのステラの方が感度は良さそうに思いますが、リールを回している時の「巻き抵抗の変化」はヴァンキッシュの方がより鮮明に感じるでしょう。
軽量ルアーを巻いている時に一瞬感じる、
…という巻き抵抗を感じるかどうかが、ステラとヴァンキッシュの最大の違いとなります。
耐久性が弱点
ただし軽量化は剛性の低下に直結し、すなわちリールの寿命を縮める諸刃の刃となります。
こればかりは致し方のない事実なので、対策としてはドラグをゆるくして使う以外方法はないと思います。
もともとドラグ負荷の低いトラウトやアジングなどの小型番手の釣りモノは、そもそもリールにダメージを与えるほどの負荷は掛かりません。
3000番以上のヴァンキッシュを使う場合は、
「一日キャストを続けると疲れるためできる限り軽いリールがほしい!寿命が短くてもその都度オーバーホールするから大丈夫」
…というのが正解だと思います。
オススメの釣りジャンル
オススメはリールに負荷の掛かり難いアジング・トラウト・ライトラインを使用する釣り全般に使える小型番手の釣りモノです。
これじゃなきゃ使えないワケではありませんが、減価償却からくるコスパを考えるとリール負荷の少ない釣りジャンルが得意だと感じます。
また、一日中エギをシャクリ続けるエギングにも最適です。
ビシビシ強烈にシャクリを入れた時のローター負荷はありますが、基本的に糸フケを巻き取るだけなのでギアへの負担は少ないのがその理由。
また糸ふけだけを取りたいので、ローターに慣性が働いて回り続けようとする金属ローターのステラより、ピタッと止まるヴァンキッシュの方が使いやすいと感じます。
23ヴァンキッシュについてはコチラの記事もご参照下さい👇
みらどり 2022年フラッグシップモデルにも関わらず、爆発的な販売数を叩き出したシマノ22ステラ。需要と供給のバランスが恐ろしくかけ離れてしまった為か、初期不良が多かった歴史的なモデルとなりました💦。個体差が激しく、良くも悪[…]
ツインパワーについて
もともとツインパワーはステラより先に発売され、ツインパワーをベースによりハイクオリティなスピニングリールが開発された背景があります。
つまり実用面ではステラと同等であり、軽量化を目指したヴァンキッシュよりステラに近い位置付けとなります。
プライスラインではステラ・ヴァンキッシュの下ですが、さらに下位の機種であるヴァンフォードやストラディックとはベースが違います。
個人的には、ステラ・ヴァンキッシュ・ツインパワーのハイエンドグループ(カタログに※印のあるモデル)と、それ以下と考えています。
ステラとツインパワーの違い
95ステラを手にした時からステラ一筋の「みらどり」ですが、本当は知っているんです…。
釣り道具としてステラとツインパーを比較すると、実はそれほど違いが無いことを!
なんとなく分かっているのですが、「ステラ」というブランドにお金を支払うのであって、「魚を沢山釣ろう!」とか、そういう事じゃないんです…。
インストラクターやテスタークラスに釣りのウデがあれば話は違うかもしれませんが、趣味で釣りを嗜むレベルの「みらどり」には、正直違いはわかりません💦。
時計だって洋服だってブランドに価値があるのであって、素材や性能(正確な時間を知る)に違いが無いのと同義だと思います。
個々のパーツにコストをかけている…と言われても、純金でも使わない限りウン万円の価格差になるとは考え難いのではないでしょうか?
半プラ問題
ちなみに、20ツインパワーでローターが金属になったかわりにボディの半分が樹脂パーツとなったハイブリット化問題があります。
正直、
…というブランド価値を維持する為には致し方ない事かもしれません。
ただし、高負荷を掛けてスピニングリールを巻いた時、ぐにゃぐにゃと歪むのは「リールフット」と「ローター」です。
究極はフルメタルですが、ボディフタの役割を持つパーツを樹脂にするくらい…通常使いではそれほど問題にならないような気がしますがいかがでしょうか?
まんまステラ?
24ツインパワーがもし「超密巻き(インフィニティループ)」を搭載したら、ステラとの違いはブランド力(品質保証)とデザイン・耐久性(寿命)となります。
前作がほぼステラと言われたように、発売から2年経つステラの計画的陳腐化戦略の一端を担う存在がツインパワーと考えます。
つまり、24ツインパワーはコスパ最強のスピニングリールと言えるでしょう♪
ステラと同等の機能が、約50%引きで購入出来るのですから!
もちろんスペックはまんまステラでも、ステラではありませんから「道具としてスピングリール」を必要とするユーザーに限りますケド。
オススメの用途
オールラウンドのハイエンド機種ですから、すべての釣りモノで最高のパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。
前作20ツインパワーでローターもメタルになっているので、24ツインパワーが樹脂になる事は考え難いとすればその剛性はステラ譲り。
小型番手から中型番手まで、ドラグ力を生かしたパワフルなやり取りも問題なくこなしてくれる事でしょう♪
ヴァンキッシュと異なり、1000番からC5000番まで満遍なく売れると予想すると人気番手によっては品切れ→納期遅れもあるかもしれません。
24ツインパワーC2000SHG、24ツインパワー2500SHG、24ツインパワーC5000XGあたりは予約しておく方が良いかも知れませんね。
まだ発売が決定したワケではありませんケド笑。
24ツインパワーの予測記事はコチラをご参照下さい👇
※表題の画像は24ツインパワーのイメージです。 みらどり 22ステラ、23ヴァンキッシュときて、いよいよ2024年は最強の実用機「ツインパワー」モデルチェンジの年となりそうですね!気になるのは、フラッグシップに搭載されたインフィ[…]
ステラ・ヴァンキッシュ・ツインパワー比較【まとめ】
22ステラ≒23ヴァンキッシュ>24ツインパワー。
各機種のメーカーの位置付けと、価格・性能・デザイン・ブランド・品質保証などの違いを比較してみました。
フラッグシップのステラと、その軽量モデルのヴァンキッシュはシマノ スピニングリールの双璧をなすが、耐久性と品質保証面に違いがありそうです。
ツインパワーはステラの性能を受け継いだ、実用性は「まんまステラ」のハイエンドモデルだが、デザイン・ブランド力・耐久性(寿命)では劣ると言えます。
「所有欲まで満たしたいなら迷わずステラ!巻き感度重視のライトゲームならヴァンキッシュ。リールは道具、実釣性能だけあれば十分な方はコスパ最強のツインパワー♫」
どの機種を選んだらよいか迷った方が、この記事を読んで少しでも疑問が解決できたら幸いです♫
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
(:D)┓ペコリンチョ