順を追って説明し、最後にオススメの栽培方法をまとめました。
約1万文字の記事なので、結論だけ知りたい方は、目次から【まとめ】まで飛んで下さい。
①「過湿と乾燥」プランター構造の矛盾と失敗
そもそも、露地栽培と異なり限られた用土量では過湿も乾燥も必然で、毎日の水やりでそれを繰り返すのがプランター栽培の難しい点です。
水やり3年という言葉があるように、プランター内の用土の保湿状態を保つのがいかに難しいかがわかると思います。
10年以上プランター栽培を趣味で研究してきた「みらどり」も、何度も失敗を繰り返してきました。
その中で、プランターの容量や素材による通気性、さらには底面給水の貯水機能付きプランターも色々試してきました。
通気性重視型プランター
育てる野菜ごとに最適なプランターがあると思いますが、通気性重視型プランターメーカー「アイリスオーヤマ」の主張はこうです。
しかし、通気性が良すぎるプランターの場合、夏場に1度でも過乾燥させてしまうと、その後土が水をはじくようになり、通常の水やりではどんなに水を与えても土が保水しなくなります。
水やりしてもプランターの側面や、土の中の水の通り道(水みち)を通り、土全体的に水がいきわたらず、大部分の土が乾燥したまま根が水涸れで枯死します。
プランターの下から水が出るまで・・・という水やりの鉄則がありますが、土が過度に乾燥してしまうと、水やりしても土全体に浸み込まず、すぐに底から水が抜けてしまいます。
こうなると、プランター事水の中にドブ漬けしてしばらく放置し、一度土に水を含ませない限り水涸れによる枯死は免れません。
1日中雨に打たれても保水するようになりますが、雨が降るまで待てまっていていたら・・・いずれ枯れます。
夏場は朝夕1日2回と水やりを頻繁に行えば問題ないのでしょうが、帰宅の遅い「みらどり」には無理のあるプランター構造でした。
植物にとっての水涸れは「しおれ点(土壌水分を減少させたとき作物がしおれ始める点)」や、「永久しおれ点(水分不足でしおれた作物が、100%湿度内に置いても回復しない状態になる点)」になり、一発で栽培不能になる危険があるので、通気性が良すぎるプランターには危険が伴います。
水涸れ防止型貯水機能付きプランター
対して、水涸れによる失敗を改善した、乾燥に強い貯水機能付きプランターメーカー「アップルウェアー」の主張はこうです。
確かに、通気性重視のプランターで水涸れによる失敗をしている「みらどり」に最適!と数種類の貯水機能付き底面給水プランターを購入しました。
・・・結果的に「みらどり」は、このプランターでもミニトマトはうまく育ちませんでした。
おそらく原因は、乾燥を好むミニトマト自体の特性によるものだと考えます。比較的水が好きで、根が過湿にも耐えられる野菜なら「楽々菜園プランター」は文字通り「水やり楽々」プランターだと思います。
また、美味しいミニトマトを育てる為には、実の水分を抑える事が条件なので、その点でも「みらどり」は底面給水プランター単体では使用しなくなりました。
水耕栽培にも適したトマトは、水分の給水ストレスが無いとガンガン肥料成分と一緒に水を吸い上げます。
このプランターを使用すると、貯水槽に根がぐるぐると渦を巻き、あっという間に水を吸い上げてしまいます。
水根になったミニトマトの根が吸う水の量はとても多い為、水分ストレスを与えて実を甘くする事が出来なかった事も理由の1つです。
また、過湿によって万が一にも根腐れした場合、酸素や養水分を吸う為の入り口である根が死んでしまうため、一気に生育が悪くなります。
一生懸命に新しい根を発根しようとしますが、大きくなった葉・茎を維持する事が出来ずに株全体が弱り、病害虫にヤラレていずれ枯れてしまいます。
ミニトマトの場合、茎からぶつぶつと気根が発生したら「水涸れ」か「根腐れ」で根が傷んでいる事を疑います。
いずれにしても、株が苦しんでいる証拠ですので、早急になんらかの対応をしなくてはなりません。参照記事はこちら↓
みらどり 大切に育てているミニトマトの茎に、ある日突然気持ち悪い「白いブツブツ」が出たら驚きますよね。 ちきちき そうなの、そうなのっ!スクスク成長していたのに、急にプツプツ茎に虫みたいなのが出てきて...。すぐに病害虫を疑い[…]
通気性と保水性「2つを両立させた独自の2階建てプランター栽培法」
2sps(Two-stage planter system)2段式プランターシステムは、「みらどり」が長年趣味でプランター栽培実験を行い、ようやく形になってきた独自の栽培手法です。
通気性抜群の根圏制限不織布ポットに苗を定植し、下に配置した大容量の大型プランター、ないしは貯水槽を持つ一回り大きなプランターの上に乗せる2階建て構造です。
2階部分はスパルタ農法で有名な永田農法のプランター栽培に使われる日向土細粒18Lにソフトシリカ2Lを配合し、通気性と親水性、排水性を兼ね備えた用土でミニトマトの根幹を支えます。
根が出る不織布ポットの下部を1階部分に10cm埋め、水分は主に1階部分から給水させます。
こうする事で、養分を効率良く吸収するうまい根(表層の細根)と、水涸れに強い深く張る根を太根を分けます。
もともとトマトは砂漠に近い乾燥したアンデス地方原産の為、その根は深く広く張る傾向があります。
深く張る太い根は、酸素や栄養分より安定した水分を求め、浅い所に広く張る細い根が酸素と栄養を効率良く吸収します。
これにより限られた用土量のプランター栽培でも、水涸れに強く、かつ通気性が良く根腐れし難い独自のプランターシステムとなります。
②「通気性と保水性」プランター用土の矛盾と失敗
プランターに使用する用土に関しても、通気性が良くて、保水性も良い土・・・という矛盾しているような事が良く書いてあります。
それを叶えるには団粒構造が理想なのですが、有機質が多く含まれていて、微生物の多様性が必要だとか・・・。
市販の培養土は概ね通気性と排水性のバランスに優れた配合となっていますが、モノによっては数か月で単粒構造になってしまいます。
限られたプランター内で、その構造を維持する事がとても難しく、プランター用土に関しても、10年間試行錯誤してきました。
プランター用土は団粒構造が理想
結果的に、露地栽培とプランター栽培では根本的に用土に求める性質が異なる為、プランター栽培独自の理想の用土が必要になります。
露地栽培では、ミミズや土の中の微生物などによって自然と土は団粒化しやすい。しかし、用土量の限られたプランター栽培ではそれは難しい。
もちろん露地栽培でも農薬や、化学肥料だけで育てると生物の多様性が損なわれ、土が疲弊し単粒構造にります。
プランター栽培でも、通気性・排水性に優れた良質な培養土でスタートする事は出来ますが、数か月で有機質は分解されプランター内の温度も上がりやすいため生物の多様性は損なわれます。
また、通気性と保水性に優れた赤玉土に、有機質の多い腐葉土を混ぜる事が基本ですが、その団粒構造を長期間維持する事は難しいのです。
あくまで一時的なモノであり、毎日の水やりで赤玉土は崩れて微塵により通気性は悪化し、腐葉土は数か月でどんどん分解され土は疲弊し単粒構造になります。
プランター用土の劣化具合の目安
市販の培養土を使用すると、始めは水やりするとジワジワと用土全体に水が沁み込んで行き、通気性・排水性が良い事が分かります。
しかし後半になると、なかなか水が沁み込まなかったり、逆に水切れが早すぎたりする事があります。
そんな時は水やり後に、端っこの土を少し掘ってみて下さい。土の表面だけしか湿っていなければ、確実に土は単粒構造になっているので注意が必要です。
毎日1分以上水やりをしているのに、水をはじく過乾燥の用土や、土が単粒化していると一部分しか保水しなくなります。
これでは、どんなに追肥や水やりをしても、ミニトマトは根から水や養分を吸収出来ずに生育が極端に悪くなってしまいます。
最後まで通気性・排水性の衰えないプランターに最適な用土
赤玉土・黒土・鹿沼土・荒木田土(田土)・桐生砂・腐葉土・バーク堆肥(腐植)・ピートモス・バーミキュライト・パーライト・軽石・・・そして日向土。
基本用土や改良用土など、実に多くの種類があります。それらをブレンドしたのが市販の培養土となります。
さらに「みらどり」はこれ以外にも、珪酸塩白土(粘土鉱石)・ココピート・海藻粉末(アミノ酸多糖類肥料)・もみがら燻炭など団粒構造に良いとされるの配合資材なども含めて独自ブレンドにチャレンジし、10年以上プランター用土を趣味で研究してきました。
数々の失敗の末に行き着いたのが日向土細粒(軽石)と珪酸塩白土(粘土鉱石)の経年劣化が少ない、繰り返しの使用に耐えられる用土配合でした。
日向土と赤玉土の栽培比較
日向土は軽石の仲間なので赤玉土のように粒が崩れて劣化し難く、沢山の穴が開いている事で空気や養分を保つことが出来ます。
また、1シーズン使用した赤玉土は劣化が酷く、土の入れ替えが必要です。しかし、日向土は少なくとも3シーズンはそのまま使用出来ます。
ちなみに、永田農法では赤玉土でも良いとありましたので、実際に日向土と栽培比較を行ってみました。
結果、4つあるうちの2つを日向土、2つを赤玉土で検証した際、赤玉土の2株はハダニの発生率が高く、7月下旬には病害虫で枯れてしまいました。
何が原因かは分かりませんでしたが、日向土を使用した2つのプランターのミニトマトは、9月一杯まで収穫が出来ました。
この事からも、代替品として手に入りやすい赤玉土でなく、ちゃんと日向土を使うことで失敗の少ないミニトマトの栽培が長期間楽しめると考えます。
もちろん、永田農法にもありますが日向土だけだと保水性が悪いため、夏場などは乾燥で枯れてしまう事もるため、独自の2階建て構造にする事で弱点を補います。
1階部分には市販の培養土を使用し、絶対的な用土量を増やす事で通気性と排水性を保ちながら2階部分で水涸れを防ぐことで失敗を減らします。
千の用途を持つ魔法の粘土「ソフトシリカ」
また、珪酸塩白土(粘土鉱石)は2:1型モンモリロナイト粘土鉱物で、海外では「千の用途を持つ魔法の粘土」と呼んでいたそうです。
- 根腐れ防止
- 毛細根の生長促進
- イオン交換の力で、水の活性・浄化作用、酸度(pH)調整
- 肥料効率のアップ
- 静菌作用で雑菌の働きを抑える
- 多孔質により保湿性・保温性を高め、冷害・干害予防
- ミネラルの補給
- 光合成促進
- 連作障害解消
と、実に多彩な効果が期待できます。
日向土だけでなく、通常の培養土や古くなった土に2割~3割ほど混ぜる事で、古土の再生にも利用できます。
ちなみに「みらどり」は、珪酸塩白土(粘土鉱石)を大量に使うため、一般的にホームセンターで販売されている上質な「ミリオン」は購入しません。
プロの農家さんも使う、園芸用ソフトシリカ(ナチュラル)をネットで注文しています。
一度販売元のソフトシリカさんにメールで確認したところ、「ミリオンブランドと品質的には変わりありません」とご回答を頂きましたので安心して利用しております。
20kgの大袋の為、下の方は微塵が多いのと、比較的大きな粒が少ないですが、使用上の問題は特に感じておりません。
ミリオンが1kg約600円前後でホームセンターで販売されていますので、1kgあたり約160円前後のソフトシリカ(ナチュラル)の方が断然お得です!
③市販の培養土の元肥に含まれる肥料成分による失敗
市販の培養土は「育ちが悪い」とクレームになる為、初期肥料、特に窒素成分が多めに配合されています。
もともと日照条件や温度などの栽培環境や、追肥や水やりなどの栽培方法が異なるので失敗が多い(再現性が低い)プランター栽培です。
培養土を買った消費者が、最初から育ちが悪いと来年買ってもらえない為、せめて最初だけでも育ちが良くなるように窒素成分が多めなのが市販の培養土の特徴です。
培養土の元肥が多い事が失敗の原因
苗を植えてから1、2か月グングン成長すれば、その後どうなろうとクレームにはなりません。
そこで、市販の培養土は窒素成分が強めに配合されています。これが一見グングン元気そうに育って、生育中盤に病害虫にやられる原因です。
また、植え付け初期から窒素成分が多いと、葉・茎がグングン茂る(樹ボケ)ばかりで実が付かない・・・という現象も起こります。
中には、6か月追肥不要の培養土もありますが、窒素・リン酸・カリウムの肥料成分のバランスが一定に保たれる事はありません。
特にトマトは窒素の1.7倍もカリウムを必要とするので、生育中盤以降の生殖成長期にはリン酸・カリ成分だけでも良いと考えます。
トマトの水耕栽培で有名なハイポニカ液肥の肥料成分の配合は、窒素4%、リン酸3.8%、カリ9.4%です。
このような特殊な肥料成分の培養土は他にあるか「みらどり」が過去にトマト専用培養土として販売されているモノを調べたところ、窒素が少な目の培養土は1つもありませんでした。
また、あくまで元肥なので毎日の水やりで肥料成分は流れてしまう為、最適は成分バランスはすぐに崩れてしまう事も失敗の要因です。
ほとんどの培養土には、追肥をして下さいと明記してあるのはその為です。
初期肥料が多いと根が軟弱に育つ
さらに、根幹部分に最初から肥料や水分が十分にあれば、根を伸ばす必要が無いため、少しの環境変化に耐えられない軟弱な根(株)に育ってしまいます。
見える部分(茎・葉)は立派に育ちますが、見えない土の中の根が軟弱では少しの環境変化で一気に生育不良となり病害虫にヤラレます。
逆に、定植初期に茎・葉の成長が遅くても、しっかりと根を張ればその後の成長で十分巻き返せるほど立派に成長します。
もちろん、病害虫にも強くアミノ酸などの微量要素をしっかり吸収できる細根が多ければ、美味しいミニトマトが収穫できる事にも繋がります。
生育初期の見える部分(茎・葉)の成長よりも、見えない部分(根)の成長を促進するのがカリ成分です。
窒素の1.7倍カリが必要な、ミニトマトに最適な肥料成分バランスのとれた元肥でスタートする事が大切です。
初期肥料ゼロの無肥料でスタートし追肥型にする事が成功の秘訣
定植初期は肥料分の少ない環境で根を張らせ、実が付き始める中盤から窒素ゼロのリン酸・カリ肥料を交互に与え、栄養成長と生殖成長のバランスを保つ事がミニトマトのプランター栽培の成功の秘訣です。
市販の培養土でも、結局追肥をするように明記してあるので別途肥料を与える事になります。
その際、ミニトマトに最適な肥料成分のバランスの取れた「ハイポニカ液肥」を追肥する事が、病害虫にヤラレ難い、丈夫で美味しいミニトマト栽培を成功させる3つ目のコツとなります。
また、後述する窒素ゼロの「トマト元気液肥」をハイポニカ液肥と交互に施す事で窒素の吸収も抑制できるため、市販の培養土を使う一階部分の窒素成分が多めでも問題ありません。
④追肥の与え方と肥料成分の割合で失敗
どんなに高価な市販の培養土を購入しても、栽培期間の長いミニトマトは元肥だけではうまく育ちません。
ほとんどの培養土には「追肥」が必要と明記がありますが、その追肥の方法と、肥料成分バランスによる失敗が多く見受けられます。
前述したように、ミニトマトに最適な肥料バランスの目安は、窒素少な目、カリ多め(1.7倍)。
2段果房が開花した時期に合わせて、適宜リン酸の割合を強くして生殖成長を促し、窒素吸収を抑制する事で「樹ボケ」させずに実を生らせる事が重要です。
有機肥料でも化成肥料でも、与える肥料成分を管理すればどちらも同じ
自然由来の有機肥料が良くて、化学的に肥料成分だけを抽出した化成肥料が悪いという事はありません。
肝心なのは、与える肥料成分のバランスをコントロール出来ているかどうかが大切です。
有機肥料であろうと化成肥料であろうと、植物が最終的に吸収する成分は同じです。有機肥料は、微生物に分解されて肥料効果が表れるだけです。
その為、比較的ゆるやかで長期間肥効が期待できる有機肥料の方が、扱いが楽で病害虫にヤラレ難いと思います。
しかし、微生物による分解の進み具合が一定ではない為、残っている肥料成分が分かり難い事が欠点です。
「みらどり」も昔は有機栽培にこだわっていた時期がありましたが、匂いがキツイ事や、虫が湧くなどの苦い経験があり、今では化成肥料、特に液体肥料一択です。
逆に化成肥料は、肥料成分の調整が管理しやすい反面、ガツンと効くので施肥量を間違えると取り返しがつきません。
また、水やりの度に肥料成分が溶け出す固形肥料と、即効性抜群で短期間の肥料効果のある液体肥料の違いもあります。
「みらどり」が液体肥料を使うようになったのは、固形肥料だと「長雨」の際に光合成(肥料成分を使う事)が出来ないのに、肥料成分が連日溶け出し、肥料過多に陥る事がある為です。
液体肥料なら、長雨予報の時は追肥しなければ肥料過多になる心配はありません。
植物は水涸れでは短期間で枯れますが、肥料切れではすぐに枯れるという事はありません。
人に例えると、水無しで生きられる期間は概ね3日間(72時間)が限界とされています。
しかし、食べ物(栄養)を取らなくても3週間程度は生きられるそうです。
それほど水は生命維持には重要なファクターで、養分不足は体内の養分転換(下葉から生長点へ養分の移動を行える)でなんとかなるようです。
逆に、植物の場合は肥料過多になると、比較的短期間で病害虫にヤラレル可能性があります。
いつ追肥するのか分からないから失敗する
本来、最適な追肥のタイミングというのは、経験と実績を必要とするとても難しい問題です。
天候や気温、植物の生長具合を目で見て判断する必要があるのですが、趣味の家庭菜園でそれが出来る人は少ないと思います。
また、それぞれの肥料の裏書には、1週間に1回とか、2週間に1回追肥するなど説明書きが書いてあると思います。
「みらどり」も慣れないうちは追肥を忘れたり、雨予報でも定期的に与えたりして何度も失敗しました。
解決法としては、毎週日曜日の朝に液体肥料を追肥する。ただし、雨が続く予報の時は1週飛ばす、と決めてしまう事です。
これにより、毎朝の水やりに加えて、1か月4回だけ液体肥料を追肥するだけの簡単な作業になります。
追肥が必要な事は分かっていても、いつ、どれくらいの量を与えたらいいか分からない事が失敗する原因の1つです。
ミニトマトに最適な肥料成分を考える
追肥をするタイミングを決めた後は、どのような肥料を与えるかが問題となります。
市販の液体肥料には実に様々な種類のモノがあります。花用、観葉植物用、野菜用、葉物野菜用、実物野菜用などなど・・・。
ミニトマトなので実物野菜用を選んでも、その肥料成分はバラバラです。窒素・リン・カリの割合が8:8:8のモノや、5:6:4など、どれを選べば良いか分からないと思います。
結論から言うと、トマトの水耕栽培で有名な協和株式会社の「ハイポニカ液肥」がミニトマトの液肥に最適です。
元々水耕栽培用の液肥の為、用土に含まれる微量要素を必要としない完璧な栄養素がバランス良く配合されています。
肥料成分を含まない日向土とソフトシリカだけを基本用土にしているので、窒素・リン・カリ以外にも必要な微量要素が完璧に配合されているハイポニカ液肥が必須です。
また、通常のプランター栽培でミニトマトを育てていても、「ナニカ」が足りない場合、完全栄養のハイポニカを与えると元気になる事もあるので、ぜひ一度お試しください。
さらに、美味しいミニトマトの為には窒素ゼロのリン・カリ液肥をハイポニカと交互に与える事で栄養成長と生殖成長のバランスを保ち、長期間の栽培が可能になります。
数ある液体肥料の中でも、窒素ゼロの肥料はこちらの「トマト元気液肥」だけだと思います。
すでに窒素過多で「樹ボケ」してしまっているミニトマトに与えて、生殖成長に切り替える事も可能です。
教科書通りの通常のプランターでミニトマトを育てていても、2週間に1度この「トマト元気液肥」を与える事で実付きが良くなり、美味しいミニトマトが収穫出来ますのでぜひお試しください。
プランターでミニトマトを育てるのに失敗したあなたにオススメの栽培方法【まとめ】
ミニトマトに限らず、育てる野菜ごとに最適な栽培方法がありますが、根腐れ・水涸れはプランター栽培の宿命です。
また、樹ボケで実が付かなかったり、付いても落ちてしまう場合は、トマト元気液肥で美味しいミニトマトが収穫できるかもしれません。
致命的な病害虫にヤラレて瀕死の状態では回復は見込めませんが、幸い「ハダニ」程度の軽傷なら追肥だけで元気を取り戻す事もありますので、追肥だけでも一度お試しください。
また、時期的に6月中ならこちらでご紹介している「2sps(Two-stage planter system)2段式プランターシステム」を新たに新調して、脇芽を挿してやり直してみる事も可能です。
今育てているミニトマトの株が、なんらかのウィルスに侵されていればそれも出来ませんが、清潔で無肥料の日向土とソフトシリカ用土に1週間くらい挿しておけば、簡単に脇芽から発根すると思いますのでお試しください。
ミニトマトの栽培手順【まとめ】
- 2階部分は不織布ポットJマスターM30に日向土18Lとソフトシリカ2L用土を入れる。
- 1階部分はウォータープラス40型なら20L、ないしは用土量30L以上の大型プランターに市販の培養土を入れ、上記ポットを10cm埋める。
- 2階部分に根がある初期は、ハイポニカ液肥1000倍を毎週日曜日に与える。
- 2か月後からはハイポニカ液肥500倍を、トマト元気液肥200倍と交互に毎週日曜日に追肥する。ただし、雨が降ったり曇天が続いて光合成が出来ない(=与えた養分を消費出来ない)週末は追肥をしない。
以上、4つのポイントをきっちり再現するだけで、どなたでも簡単にプランターで美味しいミニトマトを育てる事が出来ると自負しています。
もちろん、自然相手ですので栽培保障は致しかねますが「みらどり」が10年以上プランター栽培を趣味で研究し続けてきた経験から再現性は高いと思います。
全てを試してみなくても、なにか1つでもあなたのプランター栽培のお役に立てれば幸いです。
ここまでたどり着くのに、13年で30万円分の散財をしてきた「みらどり」の体験からくる独自の2段式プランターシステム(2sps:Two-stage planter system)のご紹介でした。