梅雨明けに野菜の元気が無くなる理由
結論から言うと、育てる野菜の原産国と環境が異なる事が原因です。種をまく時、種袋の裏書きには「まきどき」が記載されていると思います。
暖地・中間地・冷涼地ごとに、春蒔き、秋蒔きと発芽適温や栽培適期が記載されていると思います。これがいわゆる野菜ごとの好条件を表し、もともとの原産国の環境に近い季節が指定されています。
それでもその年の天気・温度・風害などの気象状況や、猛暑であったり冷夏であったりと栽培条件が一定にはなりませんよね。
また、苗を植えた当初は吸肥力も強く元気に育ちますが、1ヶ月も過ぎると肥料の過多や培養土の土相(気相・固相・液相)が変化したり土の中の環境も変化(多くは悪化)していきます。
さらには培養土の元肥が多く、大きく育つのに任せて摘果せずにた〜くさん実のを付けてしまえば、俗に言う「成り疲れ(付きすぎた実に栄養を分配し、葉・茎を成長させる養分が十分に足りなくなる)」を引き起こしたりするのも梅雨明け前後です。
ただでさえ梅雨の長雨と日照不足で根周りの環境が悪化し根腐れ気味のこの時期、根からの養水分の吸収が弱くなり株全体の元気が無くなる季節でもあるのです。
チッソ・リン・カリという3大栄養素やマグネシウムが不足しても下葉を枯らして成長点へと流転することも出来ますが、微量要素であるカルシウム、鉄、マンガン、 ホウ素などは植物体内で移動しにくいので欠損症が出始める時期でもあります。
たとえばカルシウムが不足すればトマト🍅なら尻腐れ、きゅうり🥒なら肩こけやくびれの症状が出ます。
これらをまとめて「みらどり」は「野菜の夏バテ」と呼んでいます(´>∀<`)ゝ
なぜ「根」では無く「葉」から栄養を与えるのか?
上記のような理由で「野菜が夏バテ」すると、どんなに土の中に栄養素が豊富に含まれていても根からの吸収が弱くなるからです。
ましてや株が弱っており根腐れ寸前の野菜に、元気が無いから肥料不足と勘違いして根に向けて追肥をするとかえって症状を悪化させる事もあります(浸透圧で養分を吸収しているので、株が弱っていると濃い肥料成分を吸収出来なくなる)。
そこでまずは根や葉に活力を与える肥料成分の入っていない「活力剤」を葉に散布して与えるのです。根から吸収するより効率も悪く、劇的な変化がすぐに現れるわけではありませんが、ジワジワと回復してくる感じです。
基本は根から吸収する事が第一で、活力剤だけでは野菜は育ちません。
しかし、根や葉に元気が無い時は一時的に葉から活力剤を与え、葉を色鮮やかに蘇らせ、根の発育も促し株全体を一度リセットする事が必要になります。
あくまでも根の状況が回復するまでの応急処置として「活力剤」を葉から与えるとお考え下さい。株の生育の衰えを補うための栄養ドリンク・・・というイメージに当てはまると思います。
それでも、猛暑が続く1ヶ月間だけでも「活力剤」を葉面散布すると効果を実感していただけると思います。実際使ってその違いを感じた「みらどり」は、元気で美味しい野菜を育てる為に週1で葉の表裏に散布している事は言うまでもありませんね笑。
転ばぬ先の「活力剤の葉面散布」。試しにやってみるなら、ハイポネクスやハイポニカなど今お使いの液体肥料で行っていただいても十分効果はあります。
ただしその場合は、通常の稀釈倍率より薄く作る事をオススメ致します。特に夏場など急激に液肥が乾燥し、濃い肥料成分が葉に残ると、葉焼けしてしまいかえって葉が枯れ元気が無くなりますので要注意です!
チッソ・リン・カリ成分を、植物が必要とするだけ葉からは吸収できませんが、その他の微量要素も含めて葉からダイレクトに吸収させた方が効果は早く出ます。
よって、微量要素だけを植物に吸収させる目的の「活力剤」の使い方なら、植物全体にダイレクトに与える事の出来る超速攻性の葉面散布は相性が良いのであえて根からではなく葉から与えるのです。
葉面散布の特徴・歴史について
効果の有無について疑問に思われる方もいらっしゃると思いますので、株式会社 生科研さんのHPより引用させていただきます。
あくまで葉面散布は根からの吸収が弱った時の補助的なものですが、うまく利用すれば野菜の品質向上が見込まれる為、「量より質のみらどり」は家庭菜園で常用しています。
葉面吸収について
植物は進化の過程において、陸上に上がる前は水中から体表面全体で養分を吸収していました。陸上に上がってからもその性質は残り、根からのみでなく葉や茎、果実表面などからも養分を吸収する能力を保っています。この性質を利用したのが葉面散布による施肥技術であり、最近では有機成分(アミノ酸等)を含む葉面散布剤も普及し始めました。
葉面吸収の歴史
海外では1920年頃から、鉄や銅、亜鉛、マンガン等の微量要素欠乏対策に葉面散布が行われるようになり、1940年頃からは窒素、りん酸、加里などの3要素も利用されはじめ、葉から無機成分が吸収されるメカニズムが明らかになって広く利用されるようになりました。 我が国でも1955年くらいから利用されるようになり、1961年には肥料取締法が一部改正され、葉面散布剤(葉から与える肥料)も肥料として取り扱われるようになりました。
どのように吸収されるか
葉面吸収は根の場合と同じようにエネルギーを消費して行われる積極吸収です。葉の表からも、裏からも共に吸収します。
出典元:株式会社 生科研HPより
このように、葉面散布の効果や葉から吸収されるメカニズムが明らかになっており、決して一部の口コミにあるようなインチキでは無い事がわかると思います。
チッソ・リン・カリだけの液体肥料と比べれば高価な資材ですが、はなからコスト度外視の趣味の家庭菜園で使わない手は無いと思います笑。
液体肥料と活力剤の違いとは
端的に言うと、植物が成長するのに必要不可欠な3大栄養素であるチッソ・リン・カリを0.1%以上、あるいは2成分以上の合計量が0.2%以上含まれているものを「肥料(液体肥料)」と言います。
活力剤は肥料成分がそれ以下であり、単体では植物を育てる事ができない微量要素という事が言えます。
つまり、主食が液体肥料で、各種ミネラルやビタミンを含んだサプリメントが活力剤だとイメージしてみると分かりやすいと思います。
人間が健康に生きていくためには、主食だけでなく微量要素もバランス良く摂取する事が大切です。しかし、好き嫌いの多い「不健康なみらどり」は、1日に必要な栄養バランスはまったく足りていない事を自覚しています汗。
それでも生きていく事は可能ですよね。では、サプリメントと水だけで生きていけるでしょうか?はい、答えはNOです。
つまり無いと生きていけないのが「液体肥料」、無くても良いのが「活力剤」です!
(*’ω’*)……ん?「活力剤」はいらないじゃん!
そうです、必ずしも必要では無いのです・・・ぇ━(*´・д・)━!!!
ただし、人間でも病み上がりで体調の優れない時とか、夏バテして体がダルイ時に各種栄養剤を飲んで気合を入れませんか?
まさにそれが「活力剤」なんです!
無くても良いけど、あると元気になれる体調管理の必需品(๑•̀ㅂ•́)و✧
また、葉面散布で元気注入するのは「液体肥料」でも良いと書きましたが、根から吸収するのに比べれば極わずかでも肥料成分も一緒に吸収出来るので、液体肥料か活力剤かの違いより、葉面散布する行為自体に意味があります。
どちらを葉から吸収させるにしても、植物の主食である生きるのに必要な肥料成分は根からしか吸収する事ができない事に変わりはありません。
固形肥料では試せませんが、液体肥料をお持ちでしたらぜひ一度お試し下さい。週1回で元気が取り戻せるかもしれませんよ♬
活力剤・液体肥料の葉面散布のやり方
それでは具体的に葉面散布の方法を・・・と言いたい所ですが散布方法は超簡単です♬
基本的にはスプレータイプなら1週間おきに早朝、葉の表と裏にしっかりとシュッシュッとスプレーするだけです。稀釈タイプは少し面倒ですが、裏書きにある通りの倍率で薄めて噴霧器(スプレーボトル)でかけるだけ。
雨の日や朝露で葉が濡れている時は、通常の土に潅水する時と同じように養分の吸収力が低下するので散布を見送ります。
また、日が高くなった日中に散布すると、活力剤・液体肥料がすぐに蒸発して濃度の濃い液体が葉に残るため、場合によっては葉やけを起こし葉が枯れてしまう事もありますので夏は早朝だけに限られます。
植物は早朝に根から養水分を吸って茎葉に送り、日中に葉で光合成を行い、夜に光合成によって作られたエネルギー源であるブドウ糖を実と根に送り夜間はそれを消費し呼吸もしています。
よって、日が落ちる頃に肥料などの栄養分を葉に散布しても、光合成ができずに翌朝まで葉に留まります。病害虫にとってもチッソなどの栄養分は大好きなので、極力肥料過多にならないように使い切れる量を朝に与えるのが正解です。
肥料成分の入っていない活力剤ならそれほど心配することもありませんが、もし液体肥料を葉面散布する場合は稀釈倍率を薄めに作り、早朝に葉に散布する事がコツになります。
オススメの活力剤
実際「みらどり」が使っている活力剤は3種類あります。特に使い分けているわけでは無いのですが、なんとなく効果の違いが気になって手元に3本の活力剤があります(´>∀<`)ゝ。
それぞれ有名な「活力剤」だと思うので、別記事にて3本の栽培比較を掲載しようと思っています。取り急ぎ「みらどり」愛用の3本の活力剤をご紹介を致します。
どれも肥料成分の無い純粋な活力剤ですので、お試し派・ガッツリ本気派・菜園の大きさや用途に合わせて週1回の活力ライフをお試し下さい。
3本中最安値!㈱ハイポネックスジャパン「リキダス」
言わずも知れた肥料屋ハイポネックスさんの活力剤「リキダス」です。3本中唯一稀釈して使うタイプなので、コストは最安値です。
稀釈するのに手間がいりますが、160mlの最小ボトルで葉面散布するのに200倍なので約600円で32Lもの活力液が作れます。100mlあたり約1.8円!!じゃぶじゃぶ散布しても、1シーズンで使い切れる量ではありませんね。
主な成分としては、コリン・フルボ酸・アミノ酸に、カルシウムに各種ミネラル(鉄・銅・亜鉛・モリブデンなど)が配合されています。
ミニトマト🍅に散布すれば、カルシウムが尻腐れを防いでくれるので症状のある方はぜひお試し下さい。
これぞ活力剤!というコストパフォーマンス最強のベーシックなアイテムです。
ただし、稀釈するのが面倒な方はとても高価ですが、そのまま使えるスプレーボトル入のHB-101か、万田酵素ストレートをお選び下さい。
効果を実感したら、HB-101も万田酵素もコスパに優れた希釈タイプもございます。
とてもお求めやすい「リキダス」ですが、「みらどり」の栽培比較では葉物野菜に特に効果があった事を付け加えておきます♪
世界で8千万人が愛用!!㈱フローラ「HB-101」スプレーボトル
3本中最高値の活力剤のブランド品です!。1000倍に稀釈された活力液は500ccで約800円。100mlあたり約160円とかなり高額になります。
最初はそのまま使えるスプレータイプを購入しましたが、使い終わったら後でご紹介する原液タイプを購入すればリキダス同様じゃぶじゃぶ作れます。
100ml原液タイプを自分で1000倍に稀釈した場合は、約2400円で100L作れるので100ccあたり2.4円と現実的な価格となります(原液の初期投資がお高いですが汗)。
しかし、その効果は世界中で愛され続けているのも納得出来るものだと思います。
上記画像は、山梨県総合農業試験場での試験結果です。HB-101を使用したスカビオサ・コーカシカは根がぐんぐんはっているのがわかると思います。 ※効果には個人差があります。
HB-101は、スギ・ヒノキ・マツ・オオバコのエキスを抽出精製し、混合した天然植物活力液。
有効成分中のサポニン性の有効成分は展着力(葉に散布した際に液体が定着しやすい)もあるので、葉面散布にも最適です。
家庭菜園レベルなら、100mlの原液タイプなら数年〜十数年?は使えると思いますよ♬
みらどりの栽培比較では、根菜にはHB-101が一番効果がありました♪
人間に活力を与える万田酵素で有名な万田酵素㈱「植物用万田酵素ストレートタイプ」
最後にご紹介するのは「みらどり」が10年以上前から愛用している液体肥料「植物用万田酵素アミノアルファプラス」の肥料成分を抜いた「万田酵素ストレートタイプ」のスプレーボトルです。
内容量900mlで約1000円なので100mlあたり約110円。HB-101の次に高価な活力剤ですが容量が多いので使い方次第でワンシーズンは持つと思います。
また、活力剤ではなく肥料となってしまいますが、植物用万田酵素の稀釈タイプが100mlで約1760円なので、1000倍に稀釈して使用すると1760円で100L作れるので100mlあたり1.7円となります。
「みらどり」が愛用しているのは「肥料成分を微量に含む稀釈タイプ」を愛用しているのですが、今回比較する為に条件の同じ使える肥料成分の無いストレートタイプ(活力剤)を購入しました。
稀釈タイプは葉やけの心配もありしたが、活力剤で登録されているスプレーボトルならその心配もなくガンガン葉面散布が可能です。
残念ながら…
スプレーボトルなので、稀釈する必要もなくそのまま葉にスプレーするだけですのですが、残念ながら栽培検証では効果が実感出来ませんでした💦。
昔から愛用している希釈タイプの液体肥料「万田酵素 アミノアルファプラス」の葉面散布が弱った野菜に効果があるように感じたのは、微量でも3大栄養素(チッソ・リン・カリ)が配合されているせいでしょうか?
野菜を育てている環境によって効果の出方は異なりますし、検証回数も少ないのであくまで参考程度になりますが、活力剤に分類される「万田酵素ストレートタイプ」は…イマイチでした💦。
液体肥料に分類されますが、葉面散布するなら「万田酵素編みのアルファプラス」の液肥をおすすめ致します。
希釈タイプに欠点があるとすれば
「臭い」が気になる事
はい、「みらどり」はそれほど気になりませんが、家族に言わせると「臭う( •́ฅ•̀ )クッサ」だそうです笑。
良薬口に苦し、良液鼻に臭し( •́ฅ•̀ )…。
という事でしょうか笑。
野菜の元気が無い時は活力剤を葉面散布で栄養補給!【まとめ】
いかがでしたか?野菜が病害虫以外のなんらかの原因で元気が無い時は、ぜひ一度「活力剤の葉面散布」をお試し下さい。
- 暑さで夏バテ気味の時
- 寒さへの抵抗生をつけたい時
- 開花前後の活力をつけたい時
- 葉や実が大きく成長する時
- 花や実が沢山付いて体力を消耗する時
- 成り疲れ(収獲後)で元気が無い時
- 多湿や過乾燥で根が傷んでいる時
- 肥料やけで根腐れしそうな時
以上のような時には、根からの養水分の吸収力が一時的に落ちています。
ぜひとも活力剤を葉面散布して野菜の元気を取り戻すお手伝いをして上げて下さい(๑•̀ㅂ•́)و✧
あくまでも根からの吸収する養分量には敵いませんが、確実に効果を実感する事が出来ることは試験結果からも明らかだと思います。
稀釈の必要のないスプレータイプの活力液なら「HB-101」。稀釈の手間はありますが、コストパフォーマンスに優れた活力液なら「リキダス」、液肥に分類されますが「万田酵素アミノアルファプラス」がオススメです。
個人的には液体肥料に分類されてしまいますが、昔から愛用している「万田アミノアルファプラス <100ml>」の原液タイプが好きです。
家庭菜園で愛情いっぱいに育てている大切な野菜の元気が無い時は・・・すぐに活力剤を葉面散布して厳しい季節を乗り切って欲しいと願っていますm(_ _;)m。
これらの活力剤を使用した、栽培比較はこちらをご参照下さい👇
みらどり 趣味で家庭菜園をしていると、誰もが一度は気になる「活力剤」。そこで今回は「肥料」とは異なる「活力剤」「活力液」と呼ばれている商品の栽培比較を行ってみました。 ちきちき (´ー`*)ウンウン。確かに「活力剤」って気にな[…]