確かに釣り竿自体の感度はカーボン素材の性能やガイドセッティング・製造技術等の価格差で決まる事は明らかだし、竿のモーメントなどタックルバランスが大切な事に違いないんだけどね…。
単純に感度の良い高価な竿の話じゃなくて、釣り竿の握り方・持ち方で今使っているタックルの感度を最大限発揮する方法だからね。
次の釣行時に手軽に試す事が出来るから、最後まで話を聞いてちょ(ー”ー;)
ロッド感度とは
みなさまが「ロッド」「感度」という検索でこの記事にたどり着いたとしたら、「感度の良い竿」をお探しだと思います。
絶対的振動特性からロッド感度を説明すると
柔らかいより硬い方が振動は伝わりやすい
重いより軽い方が振動は伝わりやすい
長いより短い方が振動は伝わりやすい
振動の伝達は竿の感度と言えるので、全ての釣り竿に当てはまる特性である
と言えます。
つまり、より高価なカーボン素材を使用した軽くて反発の有るシャキッとしたロッドが感度が良いと言えます。
また、9m30万円の鮎竿より、8m20万円の鮎竿の方が感度が良くなるのもこの振動特性によるものです(長いより短い方が振動は伝わりやすい)。
感度の良い竿を選ぶ基準は、竿の「自重」と「硬さ」と「長さ」のバランスで概ね見当がつくと思います。
高価な竿ほど軽く、張りのあるシャキッとした調子に仕上がっているはずです。
100種類以上あるカーボンシート
そもそも、竿の感度を決めるカーボンシートは1シートあたり数百円のモノから〜数万円のモノまで実に100種類以上のマテリアルが存在します。
竿の素材表記の所に「カーボン99%」と表記されていても、実際はどのランクで何トンのカーボンが使われているかで素材感度は雲泥の差となります。
当然高価なカーボンの方が振動伝達指数(感度)は高くなりますが、感度だけを追い求めると釣りのジャンルによっては竿の粘りが出ない事で折れたり破損の原因となってしまいます。
カーボンロッドはいわば陶器などの焼き物と同じです。お茶碗を落とせば割れるように、樹脂の少ない高弾性のカーボンほど衝撃に弱く「もろい」傾向があります。
逆に安価な竿に使用されている低弾性カーボンほど雑に扱っても意外と折れない事は誰もが経験した事があるのではないでしょうか?
一概に高ければ「高感度の優れた竿」という訳ではありませんので、釣種ごと適材適所に最適なカーボン素材を使うことが理想となります。
製造技術の違い
また、同じ素材を使用してもメーカーの持つ製造技術の違いで感度を上げることは可能です。
数多くの釣り竿メーカーが存在しますが、自社工場にて開発・製造しているメーカーは限られてきます。
各社ルアーメーカーさんの販売している、有名テスターさんのプロデュース・監修した竿もどこかのロッドメーカーさんのOEMだったりします。
餌釣りからルアーロッド、のべ竿から飛距離重視の投げ竿、さらには30万を超えるような超高級素材を使用した鮎竿を開発・製造してる総合釣具メーカーから選んだほうが、結果的にコストに見合った満足の行く竿が購入出来ると思うのですがいかがでしょうか?
具体的には「シマノ」「ダイワ(グローブライド)」「宇崎日新」ですが、中でも「シマノ」のロッドから選べばどのジャンル・価格帯でも間違いは無いはずです♬
ただし、どのような竿を購入しても竿の感度を最大限発揮する為には気をつけるポイントがいつくかあります。
どんなに軽くて反発力のある高価な竿でも、「ぎゅっ」と強く握り込んでしまえば竿の感度を殺してしまうからです。
竿を買い替えなくても、今お手持ちのタックルの感度が「握り方」次第で手感が大幅にアップするかもしれませんよ♬
ソリッド穂先は感度相殺
ちなみに、あらゆる釣り竿でラインナップのあるソリッド穂先。
絶対的振動特性から言えば、穂先に数十センチ柔らかいソリッドを入れるだけでも「感度」という点から明らかにマイナスです。
感度を優先するとチューブラー(先端まで中空)が絶対です。
しかし、何故ソリッド穂先がラインナップされているのか?
それは竿操作が雑でもソリッド部分が自動的に「アソビ」を作ってくれるからです。
後述する「アソビ」は張らず緩めずの極意に通じます。
竿を軽く保持することでソリッド穂先の必要性は無くなると考えていますが、1日中集中して釣りをするのも疲れるので、鮎釣りはソリッドに頼る事もあります笑。
それほど釣りにおける「アソビ」は大切なので、オートマチックにアソビを作ってくれるソリッドの方が釣果が上がる方も多いはずです。
しかし、釣果より感度(手感)優先ならチューブラートップの竿を選ばないと釣りがつまらなくなるかもしれません。
どうしても「ソリッド穂先」のアタリは感度の鈍いヌルヌル感が否めません。
ビリビリするような刺激的なアタリを求めるなら「チューブラー」一択ですよ。
握り方で手感アップ
前回ご紹介したのは、竿を強く握り込まない。軽く乗せるように保持して絶対的振動特性を上げるというお話でした。
全ての釣りに共通する正しい釣竿の持ち方は「強く握らない事」 みらどり 釣りの世界には、絶対にビギナーズラックがあると思いませんか? わんだまん あ、それ「釣りあるある」だよね!釣りが初めての彼女に教えながら釣りしてた[…]
では、なぜ強く握り込んでしまうのか?
その原因は、のべ竿の場合は竿を持つ場所、リール竿の場合はリールを付けたタックル全体の重心から離れた箇所を握っている為です。
このため、水平に維持しようとするだけでタックル重量以上の持ち重りが発生していまいます。
俗に言う「モーメント」をゼロにする場所がタックルの重心。
通常は長い竿ほど先重りするので、実際に竿を握る箇所より重心は前方にあります。
この位置を意識し、少しでも重心に近づけるような握り方をするだけで感度や竿の操作性はUPし、疲労感の軽減にも繋がります。
タックルバランス
のべ竿の場合は竿を伸ばした時、竿尻に重心が近ければ近いほど手感は上がります。実際に握る箇所に重心があれば理想ですが、物理的にそれは無理ですよね。
リール竿の場合は実際にリールを付けた時のタックルの重心がどこにあるかで手に伝わる負荷が変わります。
通常はタックル重量が軽ければ軽いほど感度は上がるのですが、それ以上にタックルの重心がグリップ近くにあることの方が大切です。
実際にお手持ちのタックルでやっていただくと分かりやすいと思いますが、ほとんどの竿はリールフットで支えると竿先が前に倒れ込みます(先重り)。
これを水平に維持しようとする力がモーメントであり、知らず知らずのうちに竿を強く握ってしまう原因です。
その位置から徐々に穂先側に支点を移していくと、竿が水平にキープ出来る箇所があると思います。
そこがタックルバランスのとれた重心となります。
この付近を握ればモーメントはゼロに近づくので、竿を保持しているだけで掛かる余計な負荷が軽減され感度や操作性が格段に上がります。
では実際に竿の重心の場所とどのくらいのモーメントが発生しているか見ていきましょう。
トラウトタックル
軽さが正義のトラウトタックルですが、カタログスペックで最軽量のヴァンキッシュと、軽量な強化素材「CI4+」を使用したブリッジライクシート採用のエクスリードを愛用しています。
普通に釣りをしていて「重いっ」と感じることはありませんが、普段どのくらいの持ち重りが発生しているのか計測してみました。
リールフットより前に重心がある
ほとんどのタックルは実際にロッドを握る箇所より前に重心があるはずです。
ぜひお手持ちのタックルでやってみて下さい。
バランス位置が大切
お使いのタックルによって竿の重心バランスの取れる位置は異なります。
高価なタックルほどロッドバランスが後方よりに設計されていますが、完全に握る場所と同じにはならないと思います。
リールフットから約6.5cm前方に重心があります。
水平にする為のモーメント
ちなみに、写真の中指の位置で竿を保持している場合、竿を水平にしようとすると223gの負荷が常に掛かることになります。
これがいわゆる持ち重りの原因です。
重心付近で竿を保持していれば、このモーメントはゼロに近づきます。つまり竿を強く握る必要がなくなるので必然的に感度アップすると言えます。
バランサーを付けるなら
もしロッドエンドにバランサーを付けるなら、44gでロッドの水平が維持出来るようになります(重心がリールフットに移動する)
支点から離れた所は軽い力で水平にキープ出来るのはてこの原理ですね。
ただし、タックル総重量201gに44gのバランサーを付けるのは現実的ではありません。
後述する竿の持ち方を変える事で対応可能なのでぜひお試し下さい。
総重量201g
リールはシマノ ヴァンキッシュ1000SSSPG(カタログ表記145g)
ロッドはシマノ カーディフエクスリードHK60SUL/F(カタログ表記55g)
ほぼカタログスペック通りの重量ですね。
こんなに軽くて高価なタックルでも、竿を水平に維持するだけで223gの負荷が掛かっているのは驚きです!
総重量201gのタックルで、普通にツーフィンガーで握った場合のモーメントは約200gでした!
もちろん、竿を水平に維持した場合の持ち重りです。竿先を下げたり上げたりして保持した場合のモーメントは異なりますが、いかにタックルバランスが大切かわかると思います。
シーバスタックル
次にトラウトタックルより長くて重いシーバスタックルで計測してみます。
使用するのは07ステラ4000S(255g)とエクスセンスS906M/AR-C(152g)です。
竿が長くなるので持ち重り感は強くなりますが、トラウトほど感度を重視する釣りでもないので疲労軽減という観点でみていきます。
長いほど重心は離れていく
実際の重心はフロントグリップのすぐ上あたりにありました。リールフットから約12cm前方です。
6フィートのトラウトロッドが6.5cm前方でした。竿が長くなると当然重心は離れていくのは致し方ありません。
モーメントは604g
少し後方ですが、写真の位置でのモーメントは604gもあります。
実際はもう少し前で握り込みますので、竿を水平に維持しようとした時の手にかかる負担は相当なものですね!
ちなみにタックル総重量は439gです…。
バランサーを入れるなら101g
疲労軽減やキャストした時の振り抜きを良くする為に必要なバランサーは101gです(約27号分の錘)。
101gのバランサーを入れて、604gのモーメントが消えるなら疲労軽減の為には必要かもしれませんね。
あいにくこの竿のグリップエンドはEVAで外れないのでどうにもなりませんが、キャストする時この位置を引くと疲労軽減につながる事がわかりますね。
タックル総重量439g
シーバスタックルにしては決して重くはありません。
C3000(230g)なら25g軽くなりますが、巻心地で4000を選んでいます。
巻き抵抗というのも疲労感に繋がるので、25gの差は問題になりません。
持ち重り感は604gですからね…。
シーバスタックルの場合、手感でどうこうする釣りでは無いと思います(少なくとも「みらどり」には分かりません笑)
しかし、重心とモーメントを意識すると、効率的なキャスト方法やリーリングフォームがみえてくると思います。
なにかのご参考になれば幸いです♬
モーメント改善のメリット
モーメントとは「ある回転軸を傾ける(曲げる)回転軸に角度を与える荷重の事」を意味し、単純に言うと「てこの原理」として昔から経験的に知られています。
ロッドを保持している場所が重心からズレている場合、竿を水平にすしているだけで常に負荷がかかっている。これが持ち重りの正体です。
前述の数字にあるとおり、竿を保持している場所から重心が離れるほど持ち重りします。試しにグリップエンドを持ってみて下さい。腕がプルプルする筈です笑。
また、支点から近い所でバランスを取ろうと思えば当然必要な力は大きくなります。
よって、少しでも距離の離れたバットエンドにバランサーを入れるのが効果的ですが、そもそも重心付近を持って竿操作すれば楽になる!という発想で「握り方」で改善してみたいと思います。
これによって得られるメリットは「感度アップ」「操作性アップ」「疲労軽減」「ショートバイトに弾かれ難くなる」の4つです。
感度アップ
強く握ると感度がなくなる。これは絶対的振動特性により明らかですが、1kgの竿を持っている時1gの重量変化を感じにくいのと同義です。
常に強く竿を握り込んでいれば、指先の圧力変化を感じ難いので感度が悪くなります。逆にふわっと乗せるように軽く持つことで手に伝わる感度は高くなります。
竿を強く握る必要の無い、重心付近で軽く乗せるように持つ事で負荷が軽減され、タックル感度は最大になります。
逆にどんなに高価なタックルを使っていても、ガチガチに気合を入れて竿を握り込んで釣りをしていると感度はだだ下がりになります。
操作性アップ
某バスプロは、「ワームをシェイクする時など繊細な竿操作が必要な時に後述するスリーフィンガーで操作性を上げる」という記事を読んだ事があります。
野球のバットを短く持つのと同じように、重心付近を持つと竿を短く持つ事にも繋がり負荷が減るので当然操作性は格段に上がりますよね。
逆に力いっぱいフルスイングする時は、野球の場合はバットをいっぱいに持って大振りします。竿の場合は重心から離れた竿尻付近を持つ事で力が乗るようになります。
竿の場合は短ければ短いほど感度が上がる物理特性と、重心付近を持つことで余計な負荷が掛からない状態にして竿を繊細に扱える事が操作性アップに繋がっています。
感度に不利な9mという長い竿で、数センチ単位の竿操作を必要とする鮎釣りでは絶対必要なテクニックと言えると思います。
疲労軽減
1日釣りをして800~1000回もキャストを繰り返せば、たかが数百グラムの負荷が余計に掛かるだけでも「腕」にキマス…。
ましてや、タックル総重量以上の持ち重りのする長い竿の場合は相当な疲労感の差になるので改善が必要です。
バランサーを入れる事も視野にいれ、タックルの重心を意識する事がとても重要になります。
それほど持ち重りの少ないトラウトロッドでも、タックル重量以上の負荷がかかっている事は数字に表れていますよね。
少しでも快適に釣りをする為にタックルの重心を意識することが大切だと考えます。
ショートバイトに弾かれ難くなる
ちなみに「【必読】釣竿の持ち方から、ビギナーズラックの真実を解明する」でも書きましたが、竿を軽く持ちロッド保持にアソビがあると釣果アップにも繋がります!
「人と魚は糸電話」
常に糸が張った状態でお互いの感度が高すぎると、人が感じるアタリは同時に魚も違和感として感じます。
つまり、エサやルアーを口にした時に吐き出すまでの時間が早くなるのです。
これが俗に言うショートバイト、弾かれる原因です。
釣り名人と呼ばれる人たちのテクニックの1つに
「張らず緩めず」
という格言がありあます。
ゼロテンション等という言葉もありますが、現実は張ったり緩めたたりを繰り返す感じです。
このテンションを緩めるアソビがあると、俗に言う「喰わせの間」を演出できる為アタリ=ヒットの確率が上がります。
「釣りも人生も適度なアソビが大切」
とは、「みらどり」が考えた迷言です(´>∀<`)ゝ
冗談はさておき、次は具体的な釣り竿の握り方のご紹介です。
スピニングロッドの握り方
これらを踏まえた上でスピニングロッドの一般的な持ち方をご紹介致します。
もともと釣り竿はツーフィンガーで持つように設計されていますので、ほとんどのアングラーはツーフィンガーだと思います。
ただ、リールフットより前に重心があるので、ツーフィンガーだと多少の持ち重り感は拭えません。
ロッドエンドにバランサー(重り)を入れて重心を調整する方法もありますが、軽さは感度!せっかくの軽量タックルを物理的に重くしたくはありません。
そこであまり推奨されていないスリーフィンガーやノーフィンガー(オールフロント)のご紹介も致します。
ぜひ一度お手持ちのタックルでやってみて下さい。鉛筆持ちも試してみるとタックルバランスの重要性を理解しやすいと思います。
ワンフィンガー
飛距離を出したい時のワンフィンガー
人差し指だけリールフットに掛けるワンフィンガー。重心が握りの前にあるので竿を曲げやすく、ハンマーのような力強いキャストが可能です。
ただし、手首の疲労感は大きくフェザリングも出来ないのであまり使う機会の無い持ち方だと思います。
ベイトリールの場合はワンフィンガーキャスト、スリーフィンガーグリップが基本ですけれど…。
ツーフィンガー
スピニングの基本ツーフィンガー
薬指と中指の間にリールフットを挟むツーフィンガーはあらゆる釣りの基本的スタイルです。
キャストする時はツーフィンガーがフェザリング(人差し指でスプールエッジを触れて糸の放出を意図的に抑制する事)しやすいように設計されています。
ただし、前述の先重りが原因でロッドを水平に保持しようとすると常に負荷が掛かるので感度の面では良いとは言えません。
その為、キャストする時はツーフィンガー、リトリーブや竿操作ではスリーフィンガーに変えるアングラーも居ます。
スリーフィンガー
重心付近を持てるスリーフィンガー
小指と薬指の間にリールフットを挟むスリーフィンガー。
この持ち方でもだいぶ持ち重りは軽減出来るので、感度を重視する場合はスリーフィンガーがオススメです。
ポイントは重心である人差し指のアタリを意識すること。
また、これに慣れると後述のオールフロントも違和感なく出来るようになると思います。
フィザリングは難しいですが、操作性はツーフィンガーより上がります。
ノーフィンガー(オールフロント)
重心を持てるノーフィンガー
ほとんどのタックルは重心がリールフットより前方にあると思います。
あまり見かけないこの握り方、とにかく手感が欲しい時に使う持ち方で、感度は最大になります!
実際にやっていただけると持ち重りゼロの感覚を体感出来ると思います。
ただし、キャストはスリーフィンガーかツーフィンガーで行いますので手返しは良くありません。
鉛筆持ち(ギャル持ち?)
持ち重り体感持ち…
こんな持ち方をして釣りはしません笑。しかし、リールフットを持たずにグリップエンドを持つ「ギャル持ち」や「芸能人持ち」なるものが昔から存在します。
「重心から後方を持つとこんなに持ち重りするのか!」「握っているだけで疲れるなぁ…」というのを体験する為の持ち方だと思っています笑。
ぜひご自分のタックルでやって見て下さい♬
あまり釣り場で見かけない「ノーフィンガー(オールフロント)」や最後にご紹介した「鉛筆持ち」は、持ち重りを体感するには打って付けです♬
次回釣行時、握り方を変えるだけですぐに体感出来ますのでぜひお試し下さい。
釣種ごとの持ち方
最後に具体的な釣種ごとの持ち方についてご紹介致します。
力強く巻きたい時(パワー重視)や、小さなアタリをとりたい時(感度重視)、一定のスピードで巻きたい時(リトリーブ重視)や細かなシェイクなど操作性を重視したい時など…
持ち方を変える事で釣りの幅が広がります。
イロイロとお試しいただき、自分だけのポジションを見つけてみて下さい♬
トラウトロッドの持ち方
エリアトラウトの場合は感度を上げる為というより、ショートバイトで弾かれ難くする事が目的だと考えております。
基本ラインが一直線になるようにロッドを水平に保持することが多いので、重心付近を持つことが重要。
よって、軽く竿を保持出来るスリーフィンガーやノーフィンガー(オールフロント)がおすすめです。
タックルの重心付近に可能な限り近づけ、文字通り竿を軽く乗せて保持しリトリーブすると「ふわふわ」と竿先が動きます。
バスロッドで管釣りの経験
今から20年以上前の金欠学生時代、お金が無いのでトラウトロッドを新調出来ずバスロッドで加賀フィッシングエリアへ行った経験があります。
たいして釣りの腕も無いのに、硬いバスロッドでは当然「ショートバイト」の嵐!アタリはあるのですが、どうにも乗せられません…。
どうにかしてショートバイト地獄から脱出する為、竿の硬さを和らげようと思いつきでやった「手のひらにふわふわ乗せるような握り方」をした所ヒット連発!!
かろうじて2桁釣果まで持っていくことが出来ました💦。
この経験から、釣りには「アソビ」が必要だと強く感じるようになりました。
結果的にこの「アソビ」が、スレたトラウトのショートバイトに追従し小さな違和感で竿をぎゅっと握り込んで鋭くアワセる事でヒット率が上がったのだと思います。
まさに
「蝶のように舞い蜂のように刺す!!」
のです。
入門・初心者タックルでも、中・上級タックルでもお手持ちの釣り竿の重心付近を軽く乗せるように保持するだけでどなたでも簡単に出来ます。
騙されたと思ってぜひ一度実践してみて下さい。
注意:軽く持ちすぎてタックルを落とさないようにご注意下さいませ。タックルを池に奉納しても、そこは自己責任でお願い致します(*・ω・)*_ _)ペコリ
アジングロッドの持ち方
基本的に竿を立てて保持する事が多いので、タックルの重心を意識する必要はあまり無いかもしれません。
その場合は当然フェザリングが楽な基本のツーフィンガーが有利になります。
竿を強く握り込まない事だけを意識していれば、余計な負荷は掛からないはずです。
具体的には竿を立ててタックルを保持する際に、リールフットの当たる薬指に乗せる感じでタックルを保持します。
手のひら全体で竿を持つのではなく、人差し指と親指で竿を軽くつまむ程度で充分です。
また、メバリングなど竿を寝かせ気味で操作する場合もツーフィンガーでリールフットを人差し指に乗せるようにして竿を保持します。
どちらもポイントはタックルを引っ掛けるようにして軽く持つことです。
意識するだけでもだいぶ感度は上がると思います。
ぜひ試してみて下さい♬
シーバスロッドの持ち方
ロングキャストとロングリトリーブ。
それほど感度を必要としないシーバス釣りでは、疲労軽減の為のロッド保持が基本となります。
また、キャストするルアーが重いのでしっかりとリトリーブ出来る安定感も欲しい所。
さらにキャスト回数も多いので、キャストする時はフェザリングが可能なツーフィンガー。
リトリーブは疲労軽減の為、竿尻を脇に挟んで固定したノーフィンガー(オールフロント)がおすすめです。
竿が長くて太いので、トラウトやアジングロッドより先おもり感が強く出ます。
その為重心がリールフットから遠く、スリーフィンガーでもまだ重心に届きません。
よって、竿尻を脇に固定し大胆なノーフィンガーで握ると軽くて安定感のあるリトリーブが可能となります。
ほとんどのシーバスロッドはフロントグリップも太く、ノーフィンガーでも竿が滑ることが無いと思いますのでぜひ試してみて下さい。
鮎竿の持ち方
鮎竿の持ち方は竿を立てる「泳がせ釣り」と竿を水平まで寝かせる「引き釣り」で異なります。
ジャンル的には最長クラス9mでパワーのある竿を一日中川の中で振り回す鮎釣り。
軽いことは正義ですが(高価な竿ほど有利)、持ち方を変えるだけで持ち重りは激減します!
疲れない持ち方は「泳がせ釣り」と「引き釣り」で異なりますが、どちらも竿尻を持って操作をすると、とんでもないモーメントが必要となりますので注意が必要です。
8mの小太刀の重心位置
竿尻から約250cm上に重心がありました。
最長クラスの鮎竿。グリップからはるか遠くに重心がある為持ち重り感もトップラスですね!
9mは重すぎて計測出来なかったので、超軽量クラスの小太刀80FW-tuned 80NY(185g)にて計測してみます。
モーメントはなんと1424g
8mで185g(カタログスペック)の短竿の竿尻のモーメントはなんと1kgオーバーです!!
ちょっと衝撃的な数字でした。9mだともっと大きくなりますよね…。
これでは強く握るな!と言っても無理があります。
重心付近を持てる天秤持ちの優位性が伺えます。
自重186gの鮎竿
8mでアンダー200gは鮎竿の中では超ライトモデルです。30万円のリミテッドクラスでもは9m220g前後が一般的なので、1424gのモーメントは軽い方かもしれませんね。
竿尻から250cmの重心を支点とすれば、モーメントはゼロです。ここに天秤持ちの小沢剛氏の強さの秘訣があるような気がします!
引き釣り
鮎の引き釣りは出来る限り竿を水平に近づけるように操作します。
時には1mも無い水深でも水中糸を5m以上水の中に入れる事もあります。
普通に竿尻のグリップを持って釣りをした場合、腕に掛かるモーメントは前述の通り凄まじい負荷が掛かる事になります。
可能な限り竿の重心付近お持つことを心がけて、竿を短く持つ(天秤持ち)ことによって「感度アップ」「疲労軽減」「操作性アップ」さらには「アタリをハジカレ難くなる」事も期待出来ます。
引き釣りの名手「小澤剛」さんは、釣りをしている最中何度も竿を落としそうになるほど軽く握っているそうです。
左手に竿を乗せてコロコロを転がすように軽く竿操作をして、右手は竿尻が浮き上がるのを上から押さえる。
この天秤持ちこそが鮎竿の感度を最大限発揮する持ち方に他なりません。
泳がせ釣り
次に竿を立てて操作する泳がせ釣りの持ち方です。
張らず緩めずの絶妙な竿操作をするには、竿を持っていては難しいためお腹に竿尻を乗せてしまいましょう。
こうする事で両手は竿を握る必要が無くなるので、数センチ単位のおばせ管理が容易になります。
シロギスの投げ釣りでも、竿尻を硬い石の上に乗せて仕掛けをサビいて100m以上先のピンギスのアタリに集中します。
鮎釣りでもしゃがんで釣りをする場合、足元の石(浮石)に竿尻を固定して手感に集中すると今まで分からなかったオトリ鮎からのシグナル拾えるようになります。
ポイントは竿を強く握らずにすむような握り方をする事です。
清流・渓流釣りの持ち方
竿を立てて上流へ振込み、流れに追従して竿先を動かさないよう川底のエサを自然に流す清流・渓流釣り。
竿を立てれば重心の位置は手前に移動しますが、竿尻を右手のひらに乗せてなるべく上の方を左手でつまんで竿を保持します。
軽く竿を保持できると、操作性が上がるので川面を滑るようにビタッと上下に震えること無く流す事が出来るようになると思います。
写真では竿を突き出していますが、実際は体に沿わせて安定した姿勢で腰を回転させながらエサを自然に流します。
この場合、感度というより繊細な竿操作をする為の持ち方になります。
鮎竿と比べて格段に短く、仕舞寸法を短くする為タケノコ状に手元が太い設計の渓流竿は「持ち重り感」はあまり無いと思います。
しかし、仕掛けがブレない繊細な竿操作をする為にはやはり竿の持ち方は重要です。
まとめ
いつもこんな長文なのに、平均滞在時間が5分無いもんね…笑
でも、100人中1人でもお役に立てる人がいれば良いと思ってるの♬高価な竿を買う前に、まずは今あるタックルの感度を最大限発揮して欲しいと思っています。
まぁ、記事の信憑性を上げるには必要だよね…それにしても高っ!!回収するのに3年は掛かるじゃん!
あ、計算しないでね!恥ずかしいから(/ω\*)ハズ
高感度の竿は数あれど、持ち方次第ではせっかくの感度を殺してる場合も…。
ぜひ一度ロッドの重心を意識して、竿を軽く保持できる持ち方を試してみて下さい。
- 竿の重心を知る
- ロッドを持つだけで掛かる負荷を意識する
- 竿は強く握らず軽く保持し指先の圧力変化を最大にする
- 数十センチ竿を短くするだけで感度は上がる
- ソリッド穂先は感度殺し。感度重視なら「チューブラー」一択
- 釣種ごとに持ち方を変えて釣り方に合わせる
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました(:D)┓ペコリンチョ
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