イラネ!!(*゚Д゚)ノ⌒゚ポィWax
釣り竿ジョイント部の摩耗
釣り竿のつなぎ部分はとても精密な設計がされており、何度も抜き差しすれば当然すり減ってゆるくなります。
使用頻度や、コミの合わせ(つなぎ)方にもよりますが、5年から10年もすると次第に深く入るようになり竿の調子が変化するのは避けられません。
また、ジョイント部が擦れてピッタリ密着するようになると、固着(つなぎ目が抜けなくなる)しやすくもなります。
摩耗の仕方によっては、キャスティング時にコミが緩んですっぽ抜けの原因や、くるっと合わせ部がズレて頻繁にガイド合わせの調整が必要になるのです。
フェルールワックスで予防
これらを防止するのに、「みらどり」は 長年コミ部にフェルールワックスを塗ってきました。
スピゴット・フェラライト・スリップオーバー、またフライ・ルアーロッドと種類を問わず使用でき、最初から塗っておけばフェルール部の保護(擦り減り防止)になる上、固着して抜けなくなるのを防げるからです。
それによるトラブルは一度も起こりませんでしたが、明確なメリットの他にデメリットになる事もあるのでご注意ください。
メリット
最大のメリットは、新品時から使うことでジョイント部の擦り減りを防止し釣り竿の劣化を防ぐこと。
カーボンロッドを長く使うと微妙に調子が変わる理由は、主にコミ部の擦り減りが原因です(カーボン繊維自体がヘタる事はないと考えられています)。
また、初期からワックスを塗ることで、擦り減りを予防し固着やつなぎ目の緩みを予防出来る事もメリットとなります。
すでに緩くなってしまった釣り竿の固着や緩みも改善出来ますが、出来ることなら新品の時から使う事がオススメです。
デメリット
オイルでもグリスでもメンテナンス用品全般に言える事ですが、使い方を誤るとかえって劣化を早めます。
フェルールワックスも同様で、塗りすぎるとコミがキツくなったり、ゴミを付着させて擦り減りを早める事もあるので注意が必要。
後述のロッドメーカーが推奨しなり理由がコレにあたるのですが、正しく使えばデメリットにはならないのでご安心ください。
鮎竿に使いたい…
ただしコミ部がより繊細な渓流竿や鮎竿など、振り出し竿に使えない事が「みらどり」的には最大のデメリットです。
繋ぎ目(コミ)の多い鮎竿のヘタリの原因は、コミ部が擦り減り徐々に竿の全長が長くなる事に起因します。
固着防止のスリット加工が施されている竿の場合、ワックスがコレを埋めてしまう為メーカー・販売元は推奨しないのですが…。
あくまで自己責任で、今シーズン鮎竿(小太刀)のコミ部に薄く塗ってみましたが、今の所固着は生じておりません。
2、3年使用して固着が発生しなければ、この記事に追記しようと思います♪
愛竿を末永く大切に使いたい
ちなみにトラウトロッドやシーバスロッド、船竿など2ピース・3ピースロッドに10年以上使い続けています。
今の所、固着などの不具合は一度もなく、2個目を買い足した所です。
「フェルールワックス」というのが商標登録に抵触したのか定かではありませんが、ティムコさんが「ジョイントワックス」と名称を変更したのを購入後に気が付きました。
スミスさんの「フェルールワックス」でも、ティムコさんの「ジョイントワックス」でも大きな違いはないと思います。
釣り竿用ではない、安価なワックス(ロウ)を代用される方もいらっしゃいますが、大切な愛竿に使用するならジョイントワックス一択です♪
ロッドメーカーは非推奨
釣り竿のコミ部の磨耗を予防出来るフェルールワックスですが、釣り竿を製造しているシマノ・ダイワさんはワックスの使用を推奨していません。
ワックスの販売元は、ジョイント部のすり減り防止・固着予防になると明記し、竿の製造メーカーはかえって摩耗・固着すると言います。
とても気になったので直接シマノ・ダイワさんにお電話で伺った所、
との回答でした。
過去にリールに使用する水性ガラスコーティング剤の件で問い合わせた時も、
「水性ならおそらくお使い頂けると思いますが、全てのガラス系コーティング剤で弊社の塗装(コーティング)と相性をテストした訳ではないので、大丈夫ですとは言い切れません。過去に塗装を痛めた事例もあるので、自己責任でお使い下さい。」
とのお返事。
という事でしょう笑。
振り出し竿はダメ絶対
ただし、渓流竿や鮎竿のような振り出し竿のコミ部分にはお使いいただけません。
普段はほとんど読まない釣り竿の取り扱い説明書…。
シマノさんの振り出し竿の説明書の中に、こんな記載がありました。
■竿の合わせ部に市販のロッドクリーナーやワックスを塗ることは、絶対にしないでください。固着の原因になる事があります。
引用元:シマノ 渓流竿 取扱説明書より
振り出し竿については…強く否定してますね💦。
その旨をフェルールワックスの販売元に問い合わせた際、
との事でした。
裏書きにも、並継竿を対象としている旨が書かれていますので、振り出し竿には絶対ご使用にならないでください。
容認しない理由を推測
ちなみに、シマノ公式HPには下記のような記載もありました👇
トラブル防止のメンテナンス&ケア
引用元:シマノ公式HP 投竿選びの基礎知識より
メンテナンスの基本は釣行後の水洗い。釣り場で竿についた塩分、その他の汚れを洗い流し(油汚れが付いている場合は中性洗剤も使います)、その後は陰干しで十分に乾燥させてから仕舞うことです。
なお、竿の表面をコート剤などで処理することはおすすめしません。特に精密に設計されたコミの部分はそれを使うことでトラブルが起こる可能性があります。
あくまで可能性がある…という事ですね。
製造メーカー的には、
という事だと思います笑。
確かにワックスをベタベタ塗りすぎればコミ部にゴミが付着して磨耗を早めたり、かえってコミがキツくなり固着の原因になる可能性もあるので仕方ないのかもしれません。
正しく使えばジョイント部の擦り減り防止になるのは間違いないので、後述の使い方をぜひともご参照くださいませ♪
販売元に聞いてみた
竿の製造メーカーが「フェルールワックス」を推奨しない…と仰っていましたよ、とワックスの販売元に投げかけてみました。
すると、困ったような口調で…
というようなご回答を頂きました笑(ざっくりと要約しました)。
コミがキツくなるほどベタベタ大量に塗ったり、日頃のメンテナンスを怠りゴミが付着した状態で使うとトラブルの原因になりかねないという事でした。
長年販売を続けていますが、大きな問題になっていない事が安全性の証明だと考えます。
大手釣具メーカーが安易に使用を容認すると責任問題にもなるので、
という表現になるのは頷けます。
メーカーのコミ調整
ちなみに、ワックスの使用を推奨しないシマノ・ダイワさんに、すり減った際の調整方法をお伺いした所、どちらもコミ調整という形で補修を行っているようです。
ただし、振り出し竿の調整を行っているのはダイワさんのみ(クリアの焼付け塗装)で、シマノさんは並継竿のコミ調整のみ(ヘラ除く)。
やはり、振り出し竿の擦り減り予防には「フェルールワックス」が必要なのですが、
と記載があるので、勝負するのは躊躇します。
ワックスの販売元からも振り出し竿は「ご遠慮ください」と言われたので、人柱になって鮎竿で実験してみます!
2、3年後にこのブログがまだ存在していれば…いずれこの記事に追記致します笑♪
自分で出来るコミ調整
ちなみに、少しコミ部にザラつきは生じますが、ゆるくなったコミ部を調整するのに「アロンアルファ」を使用する方法もあります。
極力サラサラな低粘度タイプを使用し、コミ部に直接1滴アロンを垂らし、指の腹で素早く均一に塗り拡げます。
瞬間接着剤なのですぐに乾燥しますので、乾いているのを確認したら繋いでみてまだ緩いようならコレを数回繰り返します。
万が一乾燥する前に竿を繋いだら…
のでご注意ください笑。
アロンでの補修も、ポイントは少しづつ薄く均一に塗り伸ばしながら調整する事。
焦らずじっくりやると失敗は無いと思いますが、デメリットは指がアロンでカピカピになる事です💦
アロンのザラつき解消
アロンでコミを調整すると、合わせた時にどうしてもザラつき感が出てしまいます。
それを解消するのにも、フェルールワックスは最適です。
アロンで厚盛りしてコミを調整した後、フェルールワックスで表面を慣らせばスムーズに気持ちよく入るようになります♪
コミの詰まった竿をお持ちの方は、ぜひ一度お試しくださいませ。
正しい使い方
正しい使い方といっても、極力薄く、均一に塗るだけです。
厚塗りすると確実にコミがキツくなります。
塗る前と、塗った後でコミの深さが浅くなったら明らかに厚塗りし過ぎ。
それを無理やり入れようとすると、シマノさんのいう磨耗や固着の原因になりかねません。
またワックスにゴミが付着すると、ヤスリで削るのと同様に繊細なコミ部に傷が入る(磨耗)のも否定できませんのでご注意ください。
ワックスがコミの外にはみ出さないよう、とにかく薄く均一に塗るのがポイントです。
ワックスを塗った後にコミを合わせた際、
…という感じで挿し込まれたらソレは塗りすぎです。
極力薄く塗る
ワックスがつなぎ目の外に出ないよう気をつけて、軽くワックスを当て上下左右4箇所だけなぞります。
ワックスは決して強く押し当てず、塗り拡げるのはあくまで指で行ってください。
あとは、指の体温で薄く溶かしながら竿を回して均一にコミ部に塗り込むだけでOK。
少し多めに塗り込んでしまっても、コミを合わせると余分なワックスが弾かれます。
それをティッシュで拭き取り、何度かコミを馴染ませたら完成です♪
竿を繋いだ際に塗る前とあまり変わらない感じでも、ワックスは確実に効いていますので問題ありません。
逆に、「ぬるぬる❤」したら要注意です笑。
使用頻度
フェルールワックスの使用頻度は、竿の使用回数(水洗い回数)に比例します。
すぐに揮発してなくなるモノでもありませんし、水と油…簡単に落ちる事はありません。
使用回数3〜5回に1度ワックスを塗る程度で十分効果を発揮しています。
逆に、使いすぎると必ず厚塗りになるのでご注意ください。
ただし、塗り直す際に古いワックスは必ず落としてから新しいワックスを塗り込みましょう。
ワックスに付着した汚れは、コミの磨耗に繋がります。
釣行後は、
が竿のお手入れの基本です。
頻繁に塗る必要はありませんが、釣行回数が多い方はコミ部がカサカサしてきたらその都度薄く塗り直すと完璧です♪
コミ部の保護・固着防止・緩み防止ワックスの正しい使い方【まとめ】
竿のつなぎ目の擦り減り予防と、固着防止、キャスティング中の緩み・抜けを防止する「フェルールワックス」の正しい使い方のご紹介でした。
釣り竿製造メーカーであるシマノ・ダイワさんはあくまで「推奨しない」という立場なので、ご使用は自己責任となります。
しかし、10年以上愛竿に使い続けてきた「みらどり」は、固着で困った事もなければジョイント部が磨り減ったと感じた事もございません。
販売元の見解のように、「使い方次第」だと思います♪
すでにコミが磨り減って、これらの症状が出ている場合は、フェルールワックスだけだと調整は難しいかもしれません。
メーカーに修理に出すことも出来ますが、アロンで調整後にフェルールワックスで馴染ませるだけでも簡易的なコミ調整は可能です。
最後は自己責任となりますが、ナニカのお役に立てたら幸いです♪
最後までお付き合い頂きありがとうございました!
(:D)┓ペコリンチョ