鱒レンジャーとの比較
確か10年以上前に1200円前後で販売されていた管理釣り場入門ロッド「鱒レンジャー」。
名前の通り「ニジマス」を釣る竿として、栃木県の釣具・アウトドア用品の卸販売業・オリジナル商品の製造販売業社の大橋漁具㈱より発売されました。
当時は中華製ガイドを採用した「激安ロッド」という認識でしかありませんでしたが、近年丈夫で手軽な万能ロッドとして人気が爆発!
某YouTuberさんの動画でなんでも釣れる万能入門ロッドとして定着。
半年以上の品切れから、販売価格が定価の2倍以上のプレミア価格で販売されるほどに成長しました…。
バリエーション
初代鱒レンジャーからモデルチェンジと追加モデルを発表し、現在のバリエーションとなりました。
基本はSP(スピニングモデル)とCT(ベイトモデル)の2タイプ。
竿の長さは40(1.2m)と50(1.5m)の2種類で、改(柔らかめ)とNext(硬め)のバリエーションです。
〜モデルとか、DarkKnightⅡとかアニマルLTDⅡは単純にグリップやカラー違いというだけです。
一番の問題は…中国製ガイドという事ですね。
クレイジージョイスティックとは
鱒レンジャーの人気から類似の商品が多く出回るようになりました。
合言葉は「短くてカラフルなブランクにグラスソリッドで中国製ガイド」。
プライスラインも同じような2000円前後の格安万能ロッドが多数販売されています。
もちろん大橋漁具さんのOEMモデルもあると思いますが、基本的にはMade in Chinaの似たような激安ロッドである事が多いですね。
そんな2番煎じの中でも、2021年にエイテックさんから発売された「クレイジージョイスティック44」は完全に鱒レンジャーの上位互換です!
グラスソリッド自体はさほど変わりありませんが、特質すべきは「富士工業製ガイド」が「ニューガイドコンセプト」で搭載されているという点です♬
Fuji(フジ)ガイド採用
現行の鱒レンジャーは全て中国ガイドの激安ロッドです。自分が初めて見たのは10年以上前ですが、当時から激安中国製ガイドだったのではないでしょうか。
今回購入したエイテックのクレイジージョイスティックはFujiガイド採用の本格ショートロッドに仕上がっています。
昔から販売されている鱒レンジャーを改造する人は多いのですが、「みらどり」が一番気になるのはやはり「ガイド」でした。
Fujiのガイドを別途購入してガイドを巻き直す事も出来ますが、ガイド代と手間を考えたら多少高くてもFujiガイド採用の鱒レンジャーの登場を心待ちにしておりましたが…。
残念ながら本家鱒レンジャーからは販売されませんでしたが、エイテックのクレイジージョイステックは「みらどり」待望の純正でFujiガイドを採用した本格ショートロッドとして発売されました。
これはもう買わない理由が見つかりません♪
ニューガイドコンセプト
さらに、Fujiガイド採用という事は竿の性能を100%発揮する富士工業の提唱する「ニューガイドコンセプト」を採用しています。
ニューガイドコンセプトとは、ロッドの性能をガイドによって最大限に引き出すための考え方で【ガイドの正しい数・位置・形】から導き出される概念です。
実際にグレート鱒レンジャーの竿の長さとガイド数とクレイジージョイスティックのそれには数字で違いが表れています。
竿 | 標準自重(g) | 全長(cm) | ガイド数 | ガイド間隔(ガイド数/全長) | ルアーウェイト(g) |
---|---|---|---|---|---|
グレート鱒レンジャー改SP40 | 100 | 120 | 5 | 24 | 1~7 |
グレート鱒レンジャー改SP50 | 110 | 150 | 6 | 25 | 1~7 |
クレイジージョイスティック44 | 91 | 133 | 6 | 22.1 | 1~7 |
軽量で、ガイド数が多く本格的なガイドバランスで設計されているジョイスティックは完全に鱒レンジャーより性能が上である事が見て取れると思います。
ガイドの性能とは
たかがガイド、されどガイド!
竿を生かすも殺すもガイド次第…とは言い過ぎかもしれませんが、日本の釣り竿の大半を占める富士工業社のコンセプトは正義だと思います。
竿の反発を生かすパワーや、飛距離、ライン劣化防止、糸絡みなどトラブル抑制など、ガイドのセッティングはとても重要です。
詳しくは富士工業のHPを参照頂くとして、ジョイスティックに採用されている10大ガイドコンセプトについて記載しておきます。
FUJIガイドコンセプト10大特長
- 感度アップ(ロッドの感度は、穂先ガイドが軽いほど、また、ガイドの数が多いほどアップする)
- 正確度アップ(キャスティングの正確度は、穂先ガイドの背が低いほど、また、リング径が小さいほどアップする)
- 飛距離アップ(ルアーやオモリの飛距離は、ガイドの数・大きさ・背の高さ・位置・重さなどによって変化する)
- バランスアップ(バランスは、穂先ガイドが軽いほどアップする)
- フッキングパワーアップ(ロッドのフッキングパワーは、ガイドの数が多いほどアップする)
- ロッドパワーアップ(ロッドパワーはガイドの数が多いほどアップし、取り込みスピードもアップする)
- 糸よれ減少(スピニングタックルの糸ヨレトラブルは、ガイドの数が多いほど減少する)
- 糸絡み減少(糸絡みはフレームが前方に傾斜しているほど絡みにくく、絡みが外れやすくなる)
- 深絞りフレーム(リングを「点」で支える従来フレームは、強度を板厚に頼りがちでしたが、深絞りフレームは絞り、捻り、曲げといった加工によってリングを幅広く包み込むことにより、板厚を薄くしても従来機構と変わらないリング保持力が確保できるとともに、これまでより薄型リングが採用できることで、フレームとリング両面での軽量化が可能となりました)
- 傾斜フレームガイド(糸絡みしようのない形)
ジョイスティックに全てのコンセプトが採用されているわけではございませんが、ガイドメーカーの考えるこれらを元にセッティングされているのです。
性能差は明らかだと思います!!
竿の調子
丈夫なグラスソリッドなので、竿の調子というより最適なガイド配置からくる竿の曲がり具合です。
最後はちょっと危険な曲げ方をしていますが、カーボンとは異なり2〜8lbラインならこの程度では折れる事はないでしょう(糸が先に切れます)。
とにかく少ない負荷でぐにゃりと曲がるので、小さな魚でも竿が満月になるのでバラシも減って、気楽に魚とのやりとりが楽しめると思います♪
子供・初心者に最適な強度
もちろん、竿は角度に注意し扱い方に慣れた方ならば簡単に折れる事は無いのですが、お子様や入門者は時として危険な竿角度とテンションでひやひやさせられる事がありますよね…。
しかし、これだけスムーズにロッドが曲がっていれば、安価な竿に良く見られる「鋭角な曲がり」で負荷が一点に集中する事が無いので折れ難い竿だと言えるでしょう。
10数年前に発売当初の初代鱒レンジャーの調子は…危険な香りがしていました。
欠点はパイプシートのフロントカバー
唯一「みらどり」が許せないのが、リールを止めるリールシートのフロントカバー部分です。
通常ならばリールを止めるネジを回すと、フロントカバーは回らずにリールフットを締め付けるのですが、ジョイスティックはフロントカバーがぐるぐる回ります。
すると、締め付ける時に大切なリールの足に傷が入る事があります。
予めリール本体にセロテープ等を貼り、傷が付かないようにする必要がある点が唯一の欠点と言えます。
リールは傷が付くもの…と割り切れば良いのでしょうが、買ったばかりのリールをセットして傷がガリガリ入ったら気持ちの良いものではありません!
ぜひともリールをセットする際はご注意下さいませ。
使い方無限大
「みらどり」は管理釣り場のトラウ卜に使用しておりますが、竿のパッケージには実に多くの対象魚種が羅列されています。
釣りのジャンルも「ルアー釣り」「堤防釣り」「川釣り」「管理釣り場」…etcとあり、節操のないフリースタイルロッド。
竿のパッケージには
「海でも川でも湖でも!これ一本で手軽にエンジョイ!!」
とあります。
ビギナーからベテランまで、“釣り”という遊びを楽しみつくすための一本。さまざまな釣り方&魚種に対応するアクション設定で、ルアー釣り全般はもちろんのこと、多種多様なエサ釣りにも対応。数多くの釣り人“個々”の要望に応えるグラスソリッド製のカラフルスティックだ。「あの魚を釣りたい!」と思い立ったら、まずはこのロッドでトライ&エンジョイ!
引用元:㈱エイテックHP クレイジージョイスティックより
まさにお子様や釣り入門者に最適な、お手頃価格で折れにくい、軽くてFujiガイド搭載の本気で釣りを楽しめるマルチ万能ロッドだと断言致します!
馴染みの釣具店店長さん曰く
「管理釣り場に行って、このカラフルなショートロッドで爆釣するとね、道具に頼らず「自分の腕が上がった…?」と錯覚出来るから凄く楽しいよ」
との事です♪
たまにはのんびりオートフッキング
釣りのうまい中・上級者のあなたも、たまには「感度重視=即アワセ」のピリピリした釣りから、「ノー感度=オートマチックに魚が掛かる」気楽な釣りを楽しんでみてはいかがでしょうか?
釣りは魚との糸電話。感度の良い竿というのは、人間にも繊細なアタリが伝わりますが魚にも同様に違和感を与えて食い込みが悪くなります。
一瞬のショートバイトをアワセル腕があれば良いのですが「みらどり」は弾かれてばかりです…泣。
1、2時間高感度ロッドで集中して釣りをした後、グラスソリッドと管釣り3種の神器(Xスティック・トルネード・ぐるぐるX)で気楽な釣りを楽しみたくなる軟派な「みらどり」です♪
釣れる魚(対象魚種)
こちらも竿のパッケージから引用致しますが、釣ろうと思えばコレ以外にもなんでも出来そうな感じがします。
カサゴ、ソイ、ハゼ、メバル、アイナメ、アジ、サバ、イワシ、メッキ、カマス、ニジマス、ウグイ、ブルーギル、ブラックバス、フナ、コイ、ワカサギ、ザリガニ、カニ、テナガエビ…etc。
「みらどり」が考える…etcの魚種は
クチボソ、タナゴ、スモールマウスバス、シーバス、カサゴ、ソイ、ソーダカツオ、オイカワ、ヤマメ、イワナ、シロギス、イシモチなどが釣れると思います。
中には無理やり釣る対象魚も混ぜましたが、この竿で釣れない事はないと思います笑。
ショートロッドは腕の延長線のような感覚で、魚とダイレクトなやり取りが出来るので飛距離が必要ない釣り物にはすすんで使います。
高弾性カーボンパリパリの高価なロッドも持っていますが、たまには気軽にエンジョイスティックで釣りを楽しみたい「みらどり」です♪
奇跡のロッドバランス
ちなみに「21ナスキーC2000S」とセットした時のロッドバランスがかなりリールフットに近い事も付け加えておきます。
このタックルの重心は、グリップに近い方が感度や竿の操作性はUPし、疲労感の軽減にも繋がります。
カーボンロッドと比べて感度は大きく劣るグラスですので、この場合はお子様や入門者でも扱い易くて疲れにくいロッドバランスであると言えます。
定価で10万円近いシマノ最高峰トラウトタックル「ヴァンキッシュ1000とカーディフエクスリードHKS60」の重心バランスがリールフットより前方6.5cmなのに対し、よりグリップに近い約5cm前方にあります。
竿の長さが異なるので正確な比較とは言えません。
しかし、竿の長さが短い方がグリップ位置でのモーメントは改善されますので、釣りを始めたばかりの頃は短めの竿を選ぶ事をオススメ致します。
ロッドバランスが大切なことは、こちらの記事をご参照下さい👇
みらどり 過去記事で「釣り竿の持ち方からビキナーズラックの真実を解明」しましたが、今回はもう少し掘り下げてロッドの重心と握り方で感度(手感)を上げる方法についてご紹介致します。 わんだまん ロッドの感度なんて、高い竿を買えば良[…]
疲れ難い、操作性が良い、キャストし易い。
ジョイスティックは竿の長さと、「鱒レンジャー」には無いガイドの軽さがもたらした最高のロッドバランスとなっております。
このバランスは…上級者でも納得頂けるロッドバランスである!と言えるのではないでしょうか?
リールは21ナスキーC2000S
竿は大変お求めやすいのですが、管理釣り場で使う場合は組み合わせるリールは安物ではなく細糸でもトラブルの無いシマノ製のスピニングリールが最適です。
中でも【コスパ最強】の21ナスキーC2000Sを「みらどり」は選びました。
竿よりだいぶ高価になりますが、3lb(0.8号)のラインを使用するなら最低限の出費だと考えます。
もちろん、適合ラインマックスの8lb(2号)で釣りをするなら、リールは小さくて軽ければなんでも良いと思います。
出来ればリール自重が200g前後で、ご予算の許す限り軽量なスピニングリールをお選び下さい。
21ナスキーの詳細はこちらの記事でご確認下さい👇
アイキャッチ・記事内画像出典:SHIMANO みらどり こんにちは!ロングセラーだった2016ナスキーから実に5年ぶりのフルモデルチェンジ!2021ナスキーを忖度無しに徹底検証してみました! わんだまん えっ?だいたいモ[…]
鱒レンジャーより高性能!ガイド交換不要でそのまま使えるジョイステック【まとめ】
もともとは管理釣り場用の激安竿として発売された「鱒レンジャー」ですが、昨今の釣りブームで安価で丈夫な万能ロッドとして脚光を浴びています。
そんなグラスソリッド万能ロッドの二番煎じとして発売された「クレイジージョイスティック44」ですが、思いの他メーカーさんの本気度が見て取れたのでつい衝動買いしてしまいました♪
「鱒レンジャー」よりは高価ですが、釣り歴30年の「みらどり」は中国製ガイド搭載の竿はどうも触手が伸びません…。
最近では、さらに「クレイジージョイスティック」より高いジャッカルさんのEGGシリーズのグラスショートロッドも中国ガイドが搭載されています。
釣具はデザインやブランドより、コスパと性能を重視する「みらどり」です♪
エイテックさんより販売されている「クレイジージョイスティック44」は、お子様や入門・初級者から中・上級者のサブロッドとしてエンジョイ出来る「万能グラスソリッドショートロッド」の決定版だと思います!
ちなみに、この竿でお子様に釣らせるのに最適なエリアはコチラ👇
みらどり 釣りに求めるのは、釣味50%:食味50%のみらどりです♪今回釣りに訪れた「榛名高原釣り堀センター」さんはメインが観光釣り堀でしたが、オーナーが釣り好きの為か?ルアー池を改修。2023年5月にルアー釣り場を拡張しリニューア[…]