【複合メタルの裏話】最強ラインは太いだけ!強度比較とおすすめの選び方

鮎メタルラインイメージ
 
みらどり
どうもぉ〜♪釣り歴30年、鮎釣りは25年嗜んでいる「みらどり」で〜す!今回は現代鮎釣りの主流となった水中糸「複合メタルライン」についての裏話をしてみたいと思います。
わんだまん
出たな(*థ౪థ)得意の裏話ネタ!まぁ、釣りは下手くそでも釣り歴だけは長いからイロイロな複合メタルを使ってきたんだろうね。
みらどり
d(*´Д`*)ゞソゥソゥ♪
っておいっ(  ’-‘ )ノ)`-‘ )ペシッ。まぁ確かに釣りの腕を上げるより、どんな釣りも道具頼みだから、本当に細くて強い最強の複合メタルを探し続けてきた事は間違いないけどね!
わんだまん
(´ー`*)ウンウン。無駄にリミテッドなんて使ってるから、釣り場では上級者に見えるもんね笑♪最高のタックルで人並みに鮎を釣る男…爆笑。
 
みらどり
=(´□`)⇒グサッ!!さりげなく本質を突いてきたね…。メーカーの謳い文句に踊らされ、強いけど太い、根ズレに弱い、目印が引っかかる等など…さんざん失敗を繰り返してきた経験がお役に立てば幸いです♪
わんだまん
あ、無理やり「ドヤ顔」突っ込んできたな笑。それでは茶番はここまでにして、さっさと本題に行っちゃって下さい♪
みらどり
あ、はい。

号数表記の闇

北越産業 乱0.04号
北越産業 乱0.04号の実測値0.059mm(現在の規格では0.06号となります)。

鮎の友釣りで「複合メタル」をお使いになった事のある方なら誰でも感じた事のある

この糸太くね?!

という違和感は、近年ではだいぶ緩和されてきました(昔はデタラメでしたよね💦)。

その理由の一つに、2015年4月1日よりJAFTMA(日本釣用品工業会)により「金属糸の太さ標準規格」が制定されたからです。

もちろん、この規格を遵守するメーカー以外は未だに信用出来ない…というのが現実ですけど。

金属糸の太さ標準規格
引用元:JAFTMA(日本釣用品工業会)より

正確な直径が測れない糸

ポリアリレート0.3号の直径実測
測る場所によって偏平であったり、潰れたりするライン。写真はポリアリレートモノライン0.3号。直径を実測すると0.2号となりますが測る場所によって0.3号にもなります。

また、複合メタルの中には簡単には直径を測れないPEライン(超高分子量ポリエチレン)※1同様、スーパー繊維(アラミド繊維やポリアリレート)との複合もあります。
※1:糸が潰れて正確に測れないので、デニール(9000mの糸の質量をグラムで表したもの)という重さで太さを決める為の単位を使用します。

その為、金属との複合の場合は比重が異なるのでデニール単位も使えず、糸に記載の号数表記は未だに「メーカーの裁量」に委ねられている現実があります。

当然、糸の標準直径がデタラメならば参考強度もあてになりませんね…。

太けりゃ強くて当たり前!

そんな状況でも後述のサンラインさんやバリバスさんは、社内の品質基準が厳しいので信用できる号数表記をしています。

そのため他メーカーより同号数では弱い強力表記となり、競合他社より販売力が不利に働いてしまいまうのですが、誠実に釣糸JAFS規格を遵守している姿勢はとても好感が持てます♪

弱い糸が細い糸

ほとんどのメーカーは金属糸の太さ標準規格を遵守しない号数表記をしている為、消費者が複合メタルを選ぶ基準が曖昧でとても困ってしまいます。

その為「みらどり」が唯一複合メタルの太さを推し量る基準としているのが、実測値を元にしたリアルな直線強力。

メーカーの参考号数を目安に、同じ比重の複合メタルを比較して実測し、直線強力が強ければ太い、弱ければ細い!と考える事にしています。

同号数の強度で比較するのではなく、強度が同じなら同号数…という逆転の発想で自分に必要なライン強力から複合メタルを選んでいます。

金属より強いスーパー繊維

アーマードFH鮎水中糸直径実測値
スーパー繊維であるPEラインをフロロ粒子でコーティングしたアーマードFH鮎水中糸0.06号。直径実測値では約0.08号ですね。安価で紫外線劣化も無く強いのですが、いかんせん石ズレには弱いので注意が必要です。

複合メタルとは、異なる素材を組み合わせて作られているラインの事を指します。

ステンレスとタングステンのように金属同士の複合をフルメタル複合と呼んだりしますが、一般的には金属糸と考えられる事もありますね。

現在市販されている複合メタルは概ね、各種スーパー繊維(従来の常識では考えられないほどの強度と弾性率を持つ繊維)とタングステンの複合で、その割合によって比重が違うと認識していると思います。

ただし、金属の割合が多い高比重複合メタルと、スーパー繊維の割合の多い比重が小さい複合メタルだと、直線強力は後者の方が強くなります。

比重を取るか、直線強力を取るか…。釣り方や釣り場に合わせて選ぶ必要がありますね。

スーパー繊維の弱点は耐摩耗性

スーパーメタル0-.04号直径実測
同じ金属なら、より太い方が耐摩耗性は高くなります。つまり極細タングステンの組糸より、単線の方が石スレには強い。写真は形状記憶チタン合金0.04号。単線は誤魔化しが効かないので、号数表記は正確と言えます。

スーパー繊維100%の水中糸には、ポリアリレート繊維を使用したフジノナイロンのハイテク系ラインや、超高分子量ポリエチレン(PEライン)を使用したデュエルのアーマードFH鮎水中糸等が有名ですね。
※PEラインのパイオニアYGKさんや、ダイワさんにもPEラインのラインナップはありますがあまり主流ではないようです。

どちらも、金属を凌ぐ直線強力を売りにしており、独自の特殊コートで弱点である石ズレなどによる耐摩耗性を上げています。

しかし、コーティングは所詮コーティング。薄い被膜など一瞬で溶けますよね。

耐摩耗性300%!などと謳っても、元の耐摩耗性が2しか無ければ6になるだけ…。

みらどり独自の耐摩耗テストでは、コーティング無しPEライン0.3号は耐摩耗性2。昔のハイテクライン0.1号が耐摩耗性6~8でした。

つまり、スーパー繊維100%は耐摩耗性が弱い…という事です。

耐摩耗性を上げるための金属

タングステン100%組糸直径実測
写真はゴーセンさんのタングステン8本ブレイド0.03号です。実測0.051mmなので規格上では0.04号となりますが、コーティングのムラだと考えられます。

続いて、金属糸の耐摩耗性テスト。

タングステン100%組糸0.05号で耐摩耗性13〜18(1本あたりが細いので耐摩耗性は弱い)。スレンレス(ハイテンションワイヤー)100%組糸0.07号が90〜98という数字が出ました。

これを踏まえた上で、各社複合メタルの耐摩耗性を計測すると、エースSP0.04号が耐摩耗性18〜21、メタビート0.04号で耐摩耗性22〜27。

メタゲーム0.05号で耐摩耗性23〜32、乱SP0.05号で耐摩耗性20〜44という結果に。

太さが同じでは無いので、あくまで参考程度ですが、スーパー繊維と金属の複合割合によって耐摩耗性が異なる事がわかると思います。

それでもスーパー繊維に金属を複合する事で、耐摩耗性が約20〜40になっていますね。

直線強力はスーパー繊維の割合で決まり、耐摩耗性と比重は金属の割合で決まります。

実際に鮎釣りで使う場合、シチュエーションや釣り方に合わせた複合メタルを選ぶ必要がありそうですね。

テストライン号数(号)耐摩耗性(回)比重
PEライン100%0.320.98
ポリアリレート100%0.16~81.41
タングステン100%組糸0.0513~1819
ハイテンションワイヤー
(ステンレスとタングステン組糸)
0.0790~989.7
エースSP複合0.0418~216.2
メタビート複合0.0422~2712.4
メタゲーム複合0.0523~324.58
乱SP複合0.0520~449.3
みらどり独自の非公式耐摩耗テスト:メタルラインに130gのオモリを付け、丸パイプ上の紙やすり1000番に5cmピッチで上下動させて何回で切れるかを測定しました。

複合メタル基礎知識

メタコンポⅢ0.05号直径実測
ダイワさんのメタコンポⅢ0.05号。直径実測値は0.062mmなので金属糸の号数規格では0.07号となります。

ここまでご紹介してきた複合メタルの芯線である「スーパー繊維」の種類について触れておこうと思います。

世界ではじめて北越産業がタングステンを素材にした釣り用メタルライン「鮎用ドリームライン」をリリースしたのが1970年。

その後、帝人株式会社の技術協力を得てアラミド繊維「テイジンテクノーラ」と「タングステン」の「複合メタルライン」の製造特許を取得したのが始まりです。

その後、東レも複合メタルの特許を取得。それが現在主流のポリアリレート繊維「ベクトラン」を芯材に使用したものでした。

素材こそ違いますが、この2つは金属をも凌駕する強力を持つ「スーパー繊維」です。

釣り業界で一般に知られているPEラインも超高分子量ポリエチレンというスーパー繊維の仲間。

これらはどれも「液晶ポリマー(LCP)」に分類され、それぞれ強度や耐久性など若干異なりますが、極端な強度差は見られません。

一時、モーリスさんが発売した史上最強のスーパー繊維であるPBO繊維「ザイロン」(ポリアリレートの約2倍の強度)を芯材に使用した「バリバス あゆ ナノメタル」も発売されましたが、耐光性に難があり現在では販売されておりません。
※PBO繊維:東洋紡のポリパラフェニレン・ベンゾビス・オキサゾールでスーパー繊維第3世代と呼ばれる。

素材別の種類

現在市販されている複合メタルは、「特殊なポリエステル系」「高強力繊維」「液晶ポリエステル」「ゼクシオン」などと各社言い方は異なりますが、概ねポリアリレートです。

モーリスさんは「アラミド繊維」を芯線に使用した複合メタル「エクセラ鮎 メタフレックス」を販売していますが、ナイロン系のLCPは紫外線で劣化するのであえてこの複合を選ぶ必要はなさそうです💦。

史上最強のPBO繊維であるザイロンも紫外線劣化に弱いので市場から消えたと思うのですが…。

ここだけの話、アラミド繊維からスタートした複合メタルのパイオニアである北越産業さんですら、現在はポリアリレートを使用しています。

糸メーカー各社にOEMとして供給していると噂の北越産業さんが「ポリアリレート」を使用しているのですから、複合メタルの主流がコレになるのも頷けます。

●アラミド繊維(ナイロン系ポリアミド)紫外線に弱いのが弱点
●ポリアリレート繊維(ポリエステル)複合メタルの現在の主流。鮎釣りにはコレが最適解と言える
●超高分子量ポリエチレン(ポリエチレン)PEラインで親しまれている。耐摩耗性に極端に弱い
●PBO繊維(ポリパラフェニレン・ベンゾビス・オキサゾール)史上最強のスーパー繊維だが耐光性が弱点

複合メタルの選び方

複合メタル実測イメージ画像
強度の実測は出来ても、正確な太さはマイクロゲージでも測れません。これが複合メタルの闇の一つです。

実際に釣りをする際の複合メタルの選び方は、他の水中糸と異なり少し複雑になります。

何故なら、複合するマテリアルの素材や割合でまったく別物のラインとなってしまうからです。

鮎を泳がせたいのか、引き釣りがメインなのか?

底石の小さな中流域で釣りをするのか、渓流に近い大石がゴロゴロしている場所がメインフィールドなのか?

はたまた18cm前後の数釣りがメインなのか、良型の鮎が釣れる河川なのか?

ホームグラウンドとしている河川や、得意な釣り方にあった複合メタルを選ぶ必要があるからです。

直線強力を重視するなら

直線強力だけを重視するなら、スーパー繊維であるポリアリレートの割合を多くするだけで簡単に強力はUPします。

タングステンやステンレスよりも強いLCP(液晶ポリマー)。

LCP100%のラインでは石の周りを狙う鮎の友釣りでは扱いが難しいのですが、コーティングとは異なりたとえ数本でも金属を組み込むと耐久性は劇的に上がります。

ポリアリレートの比重は概ね1.4。タングステンが約19、ステンレスが約7.6ですから、直線強力を重視するならなるべく比重の軽い複合メタルを選ぶ事となります。

最大強力の表記の無いメーカーの複合メタルラインは、比重の軽いラインを選べば概ね正解だと考えます。

ただし、前述の通り殆どのメーカーの号数表記はデタラメなので、本当の所は実際測ってみないとわかりません。

後述する信頼のメーカーからお選び頂けば安心です♪

比重で使い分ける

強度を重視する場合比重で確認するとありますが、比重で使い分ける事もあります。

泳がせたい場合は比重の軽い複合メタル。

瀬釣りなどで鮎を沈ませたい場合は高比重の複合メタル。

近年では、複合メタル一本でイロイロなシチュエーションを釣り歩く事も多くなりましたが、その場合は比重4.0前後のモノが使いやすいと思います。

そもそも泳がせ釣りをメインにするなら、圧倒的に比重1.78のフロロカーボンの方が釣れます!

フロロカーボンは鮎の泳ぐスピードが違うというか、尾を盛んに振って泳ぐというか…とにかく複合メタルでの泳がせは70点を超える事はありません。

それでも水中糸を張り替える事無く、1本で全てをこなそうと思えば複合メタルが楽なのは言うまでもありませんね♪

逆に、引き釣りメインなら、強力は犠牲になりますが比重が高く鮎が底に入りやすいタングステンとステンレスの複合であるフルメタルがオススメです。

耐摩耗性で選ぶ

複合メタルの石ズレ対策は、原材料の素材の種類と割合によって決まります。

液晶ポリマー(LCP)≪タングステン≪ステンレス

の順番に耐摩耗性が上がります。

特に液晶ポリマーは石ズレに弱いので、その割合が多い複合メタル(比重の軽い)は耐摩耗性に劣ります。

耐摩耗性で選ぶなら、間違いなくタングステンとステンレスのフルメタル複合ラインです。

一般的には金属ラインに分類される事もありますが、異なる素材の複合なので「複合メタル」にあてはまると思います。

フルメタルを除けば、液晶ポリマーを摩擦から守るのはステンレスとの複合が次に強くなります。

複合メタルは北越産業

北越産業イメージ画像
引用元:北越産業㈱公式HPより

大手総合メーカーや、各社糸メーカー複合メタルのOEM(Original Equipment Manufacturing)を行っていると噂の北越産業さん。

餅は餅屋、複合は北越産業!

と言いたい所ですが、冒頭の一般社団法人日本釣用品工業会の制定する釣糸JAFS基準を遵守するメーカーに入っておりません💦。

いやそもそも金属糸、特に複合メタルの標準直径を正確に知る方法は無いのですからあまり気にしなくて良いのかもしれません。

製造元は同じでも、各社メーカーの品質基準や釣糸JAFSに対する姿勢を考慮して、信頼出来るおすすめの複合メタルを厳選致しました。

参考強度表示や、正確な比重の記載の無いメーカーは除外しましたので北越産業さんの複合メタルも入っておりませんがご了承下さいませ…。

おすすめの複合メタル

数あるラインナップの中から自分にあったラインを選ぶ際、消費者が比重や太さ・直線強力の比較がしやすく、信頼のおけるメーカーの中からおすすめの複合メタルを厳選致しました。

結果的には下記の3社に絞られましたが、最初にご紹介するシマノさんの号数表記だけはご注意下さい。

2022年の新製品である、「メタキングナノ」は0.006号からラインナップがありあますが、既存のサンラインさんやバリバスさんの0.04号より少し細い程度の太さと予測出来ます。

参考強力や比重表示の無い他社の複合メタルよりは選びやすく、品質は折り紙付きなので今回ご紹介致しております。

号数表記に惑わされず、ご自身の釣りに必要な直線強力からお選び頂けば間違いないと思います。

号数A(mm)B(g)C(g)D(g)E(g)F(g)
0.006規格無し514
0.008規格無し805
0.010.038825
0.020.0421247
0.030.0461140
0.040.050540
0.050.05411921073
0.060.058740543
0.070.0621119
0.080.0667806631199
0.090.0701159
0.10.074820788
0.1250.0788608252226
0.150.08299010251433
0.20.09010801197
0.30.0981140
0.40.1062676
複合メタル号数表記と強度比較(同号数での強度比較ではなく、強度から同じ太さを予測して下さい
A:釣糸JAFS金属糸標準直径
B:サンラインZX複合メタル鮎比重3.8最大強力
C:ハイブリッドメタマックス比重9.8最大強力
D:シマノメタキングナノ比重3.65最大強力
E:シマノメタキングⅡ 比重4.23最大強力
F:シマノメタキングヘビー比重6.24最大強力

この表を一見すると、シマノの複合メタルが最強!となりますが、実際は糸が太いだけ…です。

いくら製造技術に差があっても、原材料が同じならこれほど強度に差が開くことはありませんよね!

ナイロン鮎水中糸比較

ちなみに、はじめて複合メタルをご使用になる方の為にナイロン強力も参考として掲載しておきます。

普段ナイロンで釣りをされている方なら、どの程度強力があればご自分の釣り方で糸が切れないか予測がつくと思います。

ただしナイロンと違う注意点は、結節強力は編み込みの精度に左右されるという点です。

ナイロンなら普通に結べば最大強力の80〜90%は出ると思いますが、結ぶことの出来ない複合メタルは電車結びで約40%以下、編み込みを失敗すると60%程度の結束強力に落ちる事もあります。

完全仕掛けから始めればその不安はありませんが、ご自分で仕掛けを作る場合には十分ご注意下さいませ。

参考号数釣糸JAFS
ナイロン・フロロ
標準直径(mm)
サンライン
パワード鮎水中糸
比重1.14
最大強力(g)
0.10.053280
0.125規格無し360
0.150.064430
0.175規格無し510
0.20.074570
0.250.083720
0.30.090860
0.350.0971000
0.40.1041150
0.50.1171400
0.60.1281680
0.80.1482240
ナイロンラインの標準直径と参考強力

【シマノ複合】ラインナップが豊富

シマノ鮎釣りイメージ画像
引用元:㈱シマノ公式HPより

号数表記は北越産業さんに類似していますので少々誇大表記だと思いますが、数多くのトップトーナメンターを抱えるシマノさん。

痒いところに手が届く抜け目の無いラインナップは総合メーカーならでは!

「小沢 聡」氏や「島 啓悟」氏、「小澤 剛」氏などの現役トップトーナメンターから、瀬釣りのスペシャリスト「坂本 禎」氏、ワイドスパーク釣法の「松田 克久」氏まで…。

複合メタルをテストするにあたって、実に様々な釣法を駆使するテスター陣からのアドバイスを頂いて釣り糸に反映させているに違いありません♪

極端に細いとか他社と比べて強い…とは思わずに、必要とする強力でお選び下さいませ。

0.008号という表記ですが、最大強力は805gあり、比重は3.65。つまり、他社複合メタルの0.1号と同様の太さと推測出来ます。号数表記は微妙ですが、ポリアリレートとタングステンの高品質複合メタルである事に違い有りません。強度的には上質ナイロンラインの0.3号(約800g)と同程度ありますので、これ1本でオールマイティに鮎釣りが可能です。
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平均比重4.23のオールマイティ複合メタル。最大強力は0.01号で825g。素材名には複合ラインとしか明記されておりませんが、おそらくポリアリレートとタングステンのコンポジットだと予測出来ます。0.01号で他社の0.04号程度の太さだと推測出来ますので、号数表記ではなく、最大強力を参考にお選び下さい。
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比重6.24で瀬釣りを得意とする高比重の複合メタル。ラインカラーがホワイ卜で水中の糸を見やすいのも特徴です。最大強力は005号で1073g。メタキングⅡ(0.05号1192g)と比較してタングステンの量を増やした事により、強力は若干落ちましたが瀬釣りで必要な比重と耐摩耗性をゲット!石へのコスレに対しての強さが向上しています。
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メタキングナノ0.006号直径実測

メタキングナノ0.006号直径実測
ダイヤルが止まるまで締め込むと0.019mm!しかし、メタルが動くまで緩めると0.048mmでした。

友人から話題の極細メタルライン「メタキングナノ0.006号」を1mほど頂いたので、直径と強力を実測してみました。

直径はマイクロゲージで実測しましたが、普通にダイヤルを回すと抵抗も無くすんなり0.019mmで止まります。

しかし、そこからダイヤルを戻しながらラインを引っ張って、ラインが動き出す所まで緩めていくと0.048mmでようやく少しズレました。

おそらくポリアリレートの割合が多く柔らかい為、ゲージを当てるとどんどん潰れて0.006号表記となる直径まで落ちていくようですね。

複合メタルがズリっと動いた瞬間、根ズレで糸がほつれたので巻いてある金属が相当細いように感じます(耐摩耗性は弱め)。

メタキングナノ0.006号 強力実測

メタキングナノ0.006号強力実測値
メタキングナノ0.006号直強力実測。直径の幅も大きかったですが、強力の幅も広めですね。

続いてフォースゲージにて強力を実測します。

実釣に即した方法なら編み込みでやるべきですが、強度ムラが出るので今回は結ばずに2本を折り返して引っ張り、破断した時の強力の50%を実測値としました。

結果は表題の写真の通り783gと871gです。

その半分が強力とすれば391〜435gという事になります。

カタログスペック上の最大強力は514gですので、最大強力の76〜84%。

強力から太さを予測すると、概ね0.03号が妥当な号数だと考えます。

【サンライン】厳格な品質基準

サンライン鮎釣りイメージ画像
引用元:サンライン㈱公式HPより

日本の釣り糸メーカーで販売力トップのサンラインさん。

シマノさんのような総合メーカーと異なり、糸メーカーとしての厳格な品質基準は信頼の証。

もちろん前述の釣糸JAFS基準を遵守するメーカーに入っているので、正確には測れないまでも「金属糸の太さ標準規格」に一番寄り添っているように感じます。

号数表記上の太さの基準は、このメーカーの強度と照らし合わせると把握しやすいと思います。

比較例
●シマノ メタキングナノ 0.006号 最大強力514g 比重3.65
●サンライン ZX複合メタル鮎  0.04号 直強力MAX540g 比重3.8
●バリバス メタフレックス 0.04号 参考強力513g 比重3.5

シマノとサンラインはポリアリレートを芯線とし、タングステンをスパイラルさせた複合メタルです。

アラミド繊維を芯線とした糸メーカーバリバスさんの複合メタルもサンラインさんとほぼ同じですね。

原材料が同じ(液晶ポリマー)で、比重が同程度であれば自ずと太さも同じになるはずですから、シマノさんが誇大表示(超極細…でもない)である事がわかると思います。

素材が同じなのに2倍も強い!

…はずはありませんよね笑。

号数比較で弱いと考えず、この複合メタルの号数表記が正しい!とお選びいただければ間違いありません♪

ZX複合メタル鮎0.04号 直径実測

ZX複合メタル鮎直径実測値
マイクロゲージがカチッと止まる所で0.046mm。そこから緩めて動く所で0.056mmでした。

釣糸JAFS基準で0.04号の標準直径は0.05mmなので、マイクロゲージがカチッと止まるまで計測した0.046mmは概ね正しい事になります。

しかし、組糸は潰れます…。

PEラインのように、デニール換算するともう少し太いように感じますので、メタルを引っ張って動き出すまでダイヤルを戻すと0.056mmで動き出しました。

正確な計測が出来ないのが複合メタルの闇ですが、前述のメタキングナノよりは振り幅が小さいので信頼が出来ますね。

ZX複合メタル鮎0.04号 強力実測

ZX複合メタル鮎強力実測値
結束無しの2つ折りで2回計測して809〜838gでした。1本あたり約400〜420gですね。

続いて直線強力も測定してみます。

こちらも編み込みなどの技術によって結束強度に差が出るため、複合メタルを結ばずにフォースゲージのフックに折り返して2本分の直線強力を計測。

その値の約半分を直線強力の実測値と致します。

すると、1回目は809gで破断。つまり、約400gの強力があることになります。

2回目は838gで破断。約420gの強力があるようです。

メーカー公示の最大強力が540gですので、MAX強力の74%〜80%が実測値となります。

メタキングナノより強力が弱いのは、タングステンの割合が多いことが要因だと思います。

明らかにマイクロゲージのダイヤルを回した時に、カチッと止まる位置があるので、糸の均一性は圧倒的に正確だと推測出来ます。

「みらどり」が信頼している細くて最強の複合メタルはこちらになります👇

ポリアリレート「ゼクシオン」を芯線に、タングステンをスパイラルさせた扱いやすい複合メタルライン。比重は3.8で、これ1本で泳がせから引き釣りまでオールマイティに使用出来ます。同じ0.1号でコレより強い表示の複合メタルがあれば、その糸は太い!と断言出来ます♪
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強度を維持する芯線がアラミド繊維では無く、耐光性のある「ポリアリレート」と「タングステン」の複合です。0.1号で820gの最大強力があるので、上質ナイロンラインの0.3号(約800g)と同程度の強力とお考え下さい。完全仕掛けなら、ある程度編み付け強度もあるのでメタルラインがはじめての方でも気軽にお使い頂けます!
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【バリバス】フルメタル複合ライン

バリバスメタルライン新規格
引用元:㈱バリバス公式HPより

最後にご紹介するのが2015年に金属糸の太さ標準基準が制定された時、いち早く新規格へと変更した釣糸JAFS規格遵守メーカーであるバリバス「ハイブリットメタマックス」。

タングステンとステンレスのフルメタル複合ラインです。

残念ながら、「メタルフレックス」は紫外線に弱いアラミド繊維とタングステンの複合である為おすすめ出来ませんが、フルメタルは問題ありません。

強度表記はカタログ記載がありませんでしたので参考強度を電話で直接問い合わせた所、快くご回答頂けました。

スーパー繊維では無いので同号数での強力は若干低いですが、比重はサンラインさんのZX鮎複合メタルの2倍あります!

また、フルメタルの利点は石に対する根ズレへの耐摩耗性です。

タングステンが含まれているのでステンレス100%までとは言いませんが、大石にガリガリ擦りつけても安心の硬さがあります

金属ですから〜🖐

荒瀬での釣りがお好きな方はどうぞ♪

比重9.8、石ズレに対して最強のステンレスとタングステンのフルメタル複合ライン。参考強力は0.1号で788gと、上質ナイロンラインの0.3号約800gより少し弱い程度です。瀬釣り好きにはこの糸がおすすめです♪
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フルメタル複合ラインの完全仕掛。タングステンとステンレスの複合なので、比重もあり瀬釣りで囮が底石に入りやすい!激流に対応出来る号数はありませんので、一般的な荒瀬程度までにお使い下さい♪
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複合メタル号数表記の裏側

バリバス鮎釣りイメージ画像

引用元:㈱バリバス公式HPより

 
みらどり
いかがでしたか?複合メタル号数表記の裏話…。今回検証した標準直径のお話、信じるか信じないかはあなた次第です♪
わんだまん
確かに矛盾している点が多いみたいだね…。大手釣具メーカーであるシ○ノさんがコレだと、他の複合メタルも信じられなくなりそう!
みらどり
まぁ、複合メタルに限らず釣具業界は昔から糸の標準直径がデタラメだった歴史があるからね。30年も釣りをしていると、何度騙された事か💦。
わんだまん
釣り糸あるあるだよね!PEラインはだいぶ改善されたけど、未だに海外製の安価なPEラインはとんでも無いラインが出回ってるもんね。
 
みらどり
最終的には各メーカーの裁量に任せる…という文言がある以上、誠実な糸メーカーから選ぶのが間違いの無い糸選びだと考えます♪

手で触っただけでも明らかに太い!と感じる複合ラインが横行していた時代も有りました。

それでも、他の水中糸と比べてパーマやキンクの心配も減り、圧倒的に扱いやすくて高強度の複合メタルライン。

メーカーの誇大表示に騙されること無く、あなたに必要な強力や比重からお選び頂けば間違いはないと思います。

●各社の号数表記に惑わされず、実際の強力を元に太さを推し量る
●複合メタルと言っても素材と複合割合によって特徴が異なる
●比重が小さな複合メタルは強力は強いが石ズレに弱く泳がせ向き
●比重が大きな複合メタルは強力は弱いが石ズレに強く瀬釣り向き
●液晶ポリマー(LCP)とタングステン・ステンレスの複合がある
●タングステンとステンレスのフルメタル複合ラインは石ズレ最強

複合メタル選びの沼にハマっている方の参考になれば幸いです♪

最後までお付き合い頂き、誠にありがとうございました!
(:D)┓ペコリンチョ

また、複合メタル以外の鮎水中糸のトリセツはこちらをご参照下さいませ👇

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鮎水中糸100倍拡大画像

測定に使用した機材

ちなみに、こんかいの検証で直径や強力を測定した機材はこちらです👇

この記事の検証で使用しているマイクロメーターはこちらです。0.001mmが測定可能な世界最高レベルの高性能を実現。釣り糸の実測値が気になるあなたはぜひ…って居ないか笑
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この記事の検証で使用しているフォースゲージはこちらです。引張力・圧縮力の両方で使用可能で、硬度測定・強度測定が可能です。測定範囲:0~5000g、0~49N 分解能:1g、0.01N、精度:±(0.4%rdg+1dgt)の高性能ゲージ。ナイロン2号までなら測定可能です(2号=約4kgの結節強度)。ドラグ調整にもお使いいただけますよ♬いかがでしょうか…なんて(*ノω・*)テヘ
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気になるあなたは、ぜひ一度ご自分の手でお試し下さいませ…
ッテ(´>∀<`)ゝイマセンネ。

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